江戸時代の移動貸本屋さんによる、一人称の軽妙な語り口が心地良い短編です。毎回ジャンルを問わず本を借りにくる、摩訶不思議で妖艶な「女」に振り回されていると思ったら……自戒を込めたと、作者様も仰っておられるとおり、私も、ぐうの音も出ませんでした(笑)途中、読者に対する問いかけ(話題振り)などもあり、童話や児童文学を彷彿とさせる小粋な仕掛けもありと、読んでいて楽しくなりました。