電子の本屋、あれこれ

アーカーシャチャンネル

それが、彼の選択肢だった

 本を読むならば本屋へ行くという選択肢もある。図書館という選択肢もあるのだが、今回は本屋の気分だった。


 しかし、実際に店舗へ行ってもお目当ての本があるとは限らない。現実は非情とも言える。


 その中で彼は、リアルの店舗にないのであればインターネット内を探せばいいのではないか、という結論に至った。


 ここ最近は電子書籍を取り扱うサイトも出来ているので、もしかしたら……というのはあるだろう。


 リアル書店が閉店しているというニュースを見かける度に、寂しい思いにはなる。


 それでも、本を読んでもらおうと試行錯誤の繰り返しで、様々な挑戦を続けているのを見ると勇気づけられるだろう。


 これは、そんな令和の時代に起きたある出来事である。



「思った以上に探すのは難しい。検索方法を間違えたかな」


 彼は自室でノートパソコンでインターネットを検索するのだが、公式配信のサイトでも目当ての本は見当たらなかった。


 気になる本はいくつかあったので、それを電子マネーで購入、これから読もうと思った時にふと思う。


「数冊程度ではすぐに読破してしまいそうだ。ここは、もう少し本屋を探してみるか」


 そして、彼はネットサーフィンを続けていく。目当ての本を発見するために。



「これは、なかなかの……」


 次に彼が発見したのはWEB小説の投稿サイトだった。ここには書籍化された作品もあるのだが、未書籍化タイトルの方がはるかに多い。


 別の意味でも彼にとっては宝の山なのだろう。しかし、それでも彼は求めていた。究極の本屋を発見するために。



『本屋を探しているうちに、まさかの物を発見したので……皆さんは利用しないようにお願いします』


 それから数日後、彼は動画サイトのバーチャル配信者もやっている。


 その彼が配信を行っていたのだが、そこでは違法なコンテンツを扱うサイトの話をしていた。


 様々な本屋を見てきた彼にとって、タダ乗りに近いようなこうしたサイトの存在に関しては許せないものがあったのだろう。


 さらに数日後にはこうした違法サイトを管理していた管理人、違法サイトへ誘導していたまとめサイトの管理人などが逮捕される事となり、彼の本屋巡りは思わぬ形で話題となったのである。

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