第8話
女中頭のキヨの言い付けか?
一緒に働く女工達にも、仕事が遅いと罵られ、態度が悪いと小突かれる…。
挙句の果てに、ある事無い事、キヨの耳に囁かれ、ふみは每日叩かれる…。
朝と夜には飯の支度…皆の食事の給仕をし、皆に全てを食い尽くされりゃ、朝夜の食事は抜きになる…。
思い余って、支度の途中で握り飯、小さく握って隠して置くも、それを見つかり、また、折檻…。
それでも食わなきゃ腹が減り、なんとか隠れて飯を食う…。
一生懸命働いて、隠れて飯を食う度にふみは涙を堪えて耐える…。
每日毎晩折檻なれど、月日は過ぎて仕事も覚え、飯も上手に隠れて食える…。
ふみは数えで14歳になり、幼い顔立も大人びて、ふみは、よりいっそう綺麗になった…。
この頃より旦那様が何かにつけてふみに近づく…。
ふみに近づく旦那様は、ふみの耳に囁やきかける…。
「ほら、これでも食いなさい…」
旦那様は団子をくれる…。
「煎餅は好きか?」
そう言いつつ、ふみの懐に煎餅を差し込み、そのまま、ふみの乳を弄る…。
それを見つける女中やキヨが奥方様へ告げ口をする…。
そして、奥方様の命令だよと、ふみを強く折檻する…。
ふみは裸に剥かれると、赤く腫れた傷だらけ…。
所詮、私は忌み嫌い、禁忌の子じゃからしょうがない…。
痛々しくも年季明けまで辛抱だと、涙を堪えてすすり泣く…。
旦那様はそんなこと、つゆとも知らずふみに言い寄る…。
「お前に着物を買ってあげよう」
「いいえ、勿体無いから入りません…」
「ならば、お前に似合うかんざしは?」
「いいえ、それもご勘弁…」
着物や飾りはすぐ気付かれる…酷い折檻は受けたくない…。
それならば、すぐに腹に入る食べ物が欲しい…銭が欲しいと言えずに、ふみは首を振る…。
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