第5話
しじまの中、ふみはまだ痛む女陰を水で流し洗い、そっと指で触れてみる…。
「庄屋様は、なぜこんな事をやりなさる…」
ふみは判らず着物を羽織る…。
これを期に女房を亡くした源蔵は、酒に酔えばふみの床へとやって来る…。
昼は小枝で叩かれ、奉公し、田畑では、村人衆に疎まれる…。
夜には時折源蔵に、乳房を噛じられ、男を咥えさせられ、最後に女陰を犯される…。
とっても痛くて辛いけど…生きる為じゃ食う為じゃとふみは耐え忍ぶ…。
男と女の営みも女中の罵倒で分かって行く…。
「ふみ!お前は何て汚らしい!餓鬼のくせに源蔵様のマラを咥えて差し込んで、源蔵様のお子でも孕むつもりか?!やはりお前は、禁忌の子、汚らわしいは忌み嫌いの子じゃ!!」
源蔵のふみへの嬲り、痛ぶりはただ子作りの為では無く、咥えさせたり、舐められたり、尻の穴まで弄るとは、決してお子を宿す術(すべ)では無く、源蔵ひとりの快楽の為と察してきた…。
ふみは数えで12歳になった…。
源蔵は自分の物を、顔の前に突きつける…。
思わずふみは、横を向く…。
怒りに任せ、源蔵は、ふみの髪を掴み上げ、ふみに平手を食らわせる…。
頬の内が歯で切れて、差し込む物が触れる度、傷が染みて、つい歯をたてた…。
それをすかさず源蔵は、ふみの頬へ平手打つ…。
涙を流すふみなれど、そのまま、足を持ち上げ開き、これでもかと、ふみを犯す…。
ことが済めば、さっさと戻り、ひとり残ったふみは、急に込み上げ、嘔吐した…。
痛みと嫌悪で嘔吐した…。
もしもこの先源蔵が、おらを優しく抱いてくれるのなら、一生懸命尽くしますが、このまま叩かれ殴られながら無理矢理抱くなら、殺されかねない…ふみは、逃げ出す決意を密かに固めた…。
ふみの食事の中から、少しづつ、飯を練っては平たく固め煎餅にし、風に晒して更に焼き、おかずの味噌は葉で包み、外では、食える野草を必死で覚え、川で魚を得る為に釣り方、捕り方を村の衆から盗見で覚えた…。
今日はおそらく源蔵が、おらを犯しに来るだろう…。
事が済めば源蔵は、屋敷に戻って朝まで起きぬ…。
今日が最後の我慢だと、ふみは、寝床で源蔵を待つ…。
源蔵が屋敷へ戻り、半刻程様子をみる…。
もう、そろそろ大丈夫だよと、ふみは貰った着物に蓄えた、煎餅と味噌をあるだけ包み、たすきの紐と手ぬぐいで、背中に括り付け、ムシロを1枚、小脇に抱え、庄屋の家から逃げ出した…。
朝になったら、追手があるやも、夜通し走って、昼間には、樹木に登り姿を隠す…。
ここまで来たら大丈夫…なんとか、追手をやり過ごした様…。
ふみは三晩、逃げた…。
この辺りなら、おらは禁忌の子なんだよと、誰も知ってるはずが無い…。
ふみは峠の石に座り、煎餅を1枚と味噌を食った…。
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