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 東馬は、温泉地帯から、深夜の下諏訪しもすわ町を走っていた。

「さっきはヒヤッとしたなー。まあ自分の人生か、これは。」

そのとき、東馬のスマホに着信が入った。

「ばあちゃん、なんだい?」

「あの、くそじじいがしゃべったのじゃ。」

「何を?」

「事件についてじゃ。」

「それで?」

「お前、いや東馬、事件をにするちゃんとしたかい?」

「したよ。心配しないでよ、ばあちゃん。だって俺たち、どこの誰よりも仲いいじゃん。」

「そうじゃのう。ところで、こっちに何時につくかいな?」

「うーん…、きっと夜明けまでには普通に間に合うよ。」

後ろでサイレンが鳴った。

「そこの君!左によって止まりなさい。」

「おっと、台数増えたな。じゃあまたな、ばあちゃん。」

「はいよ。」

彼は、電話を切って、ロケットのような速さで、パトカーと白バイを振り切った。

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