第5話、哀しき決闘と少女の愛
次元の
「……ゼン、お前」
「神の命により反逆者シドーを
ゼンはそう言うや否や、即座に剣を抜いた。俺はシアンを背に
やはり、こいつとも剣を
「シドー……」
「大丈夫だ、せめてお前だけでも……」
逃がす時間は
「いえ、大丈夫です。私も貴方と共に……」
「……………………」
彼女の決意に、俺は思わず黙り込む。だが、そんな
ゼンが振るう剣を、俺は切り払うように
「神の名の許に
「ゼンっ‼」
ゼンに必死に
俺の声は、届かない。やはり、もう斬るしかないのか?
「……そんな程度か、
「っ⁉」
ゼンの顔を見る。だが、やはりゼンの顔は無表情。一切の
だが、今の声は確かにゼン本人の
瞬間、ゼンの
「がっ⁉」
「シドーっ‼」
……其処からは一方的だった。斬られ、抉られ、突かれ、殴られ、サタンの力を使おうとそれでも敵わない一方的な
気付けば、俺は
だが、そんな事などお構いなしにゼンは俺を真っ直ぐ
「ぐっ、ゼン……」
「やはり、その程度か……」
「どう、して…………」
その言葉に、何も答える事なくゼンは
俺は、何も出来ない自分自身に
意識が暗転する直前、シアンが泣きながら俺の身体を
・・・ ・・・ ・・・
シドーが倒れ、目を覚まさないまま
どうして、こうなったのだろうか?私はまた、シドーに
実の所、私がシドーに助けられたのはオトメという少女から襲撃を受けた時以前からだったりする。シドーは
シアン=トリトニス。その名は私の正体を隠す為の
私の本当の名前は
幼少の頃、私と志道は家族ぐるみでよく
しかし、そんな楽しい日々はすぐに
私が最後に見たのは、私を身を
志道は、シドーはあの事故で脳にダメージを負い
だから、今度は私がシドーを
「ごめん、少し
以前、街で購入しておいた薬草を
そう思い、そっと回復薬を口に
「……んっ」
シドーに口移しで飲ませた。私としても、かなり
シドーが大好きだから。
けど、再会したシドーは他に
けど、そんな様子は彼は見せなかった。だが、今回もう一人の幼馴染との決闘でそれを認識した。やはり彼は自分をごまかしていたのだ。
シドーは
「だから、今度は私が貴方を
それこそが、私の覚悟。かつて守られた分、今度こそ
夜の森は冷え込む。だから、これくらいは別に
そっと、シドーの身体に
それでも、私は……
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