第2話 確かに可愛いね・・・
なんだかんだあったが初めての外国に到着!
職務(ロールプレイ)に忠実なガイドさん!
チラシにあったように確かに可愛いかった。
染めているのか銀に近い白髪、金色の目、色白でちょっとぽやっとした顔立ち。ガイドさんらしく紺のスーツを着ている。スカートはやや短めで細く白い足が眩しい。
好みと言えば好みだな…
「改めまして、私はこの異世界旅行のガイドをさせていただきます。
どっかで聞いたような名前だが胸に付いているネームプレートに書いてある文字が気になった。
「ああ、この文字は雰囲気を出す為の当て字です」
そうなんだ一瞬本名かと思った。
「あ、でもようこというのは本当ですよ」
「それではよろしくお願いします。妖狐さん」
妖狐さんは顔を赤らめモジモジしている。
「どうしました?具合でも?」
「いえ、いきなり名前呼びだったのでちょっとびっくりして」
いきなり名前呼びはまずかったか?
しかし圧倒的に南野さんより妖狐さんの方が呼び易い。
「ダメでしょうか?」
「そ、そんな事はありませんよ。むしろ嬉しいというか…」
妖狐さんで良さそうだ。
「では妖狐さん」
「ひゃい!」
そんなに呼ばれ慣れていないのだろうか?反応は可愛いが。
「これからどうすれば?」
「ああ、すみません。まずはこのメガネを付けてもらえますか?賢治さん」
え、俺も名前呼び⁈
た、確かにいきなり名前呼びはドキッとするな。
「すみません、馴れ馴れしかったでしょうか?」
恥ずかしそうにそう聞く妖狐さんは可愛いかった。
「いえいえ!ぜひぃ読んでください」
声が裏返る。
かくして会って5分で名前を呼び合う事になった。
親族以外、会社でも若い女性はいなかったのでこうして可愛い女性と名前を呼び合う事になるとは思ってもいなかった。
この旅行いいぞ…
「それでこのメガネをかければいいんですか?」
俺は近眼の為の普段からしているメガネを外し渡されたメガネをかけた。
うむ、なかなか良いメガネだな。よく見える…
ってなんで度が入って?しかも俺の目に合ってる。
「このメガネ良く見えますね?」
「そうでしょう、古代のアーティファクトで自動で度を調整するんですよ」
へー、古代のアーティファクトとはそれはすごいな!
って古代にメガネがあるか〜い!
賢治の旅行会社への不信感が上がった。
しかし、古代かどうかは別にして良く見える事は確かだ。自動でなんて事はないだろうから事前に俺のメガネの度を調べて用意していたのだろう。
「それでは掛けてらっしゃったメガネは私が保管しておきますね、旅行が終わる時にお返し致します」
「あ、はい…」
メガネを変えさせる理由がわからない。
が特に違和感も無く良く見えるのでよしとするか。
「実はそのメガネはこの旅行期間中に様々なサポートをしてくれるメガネなんです」
どういう事?
「たとえば、あの看板を見てみて下さい」
妖狐さんは通りのビルの上にあるこの国の文字で書かれた看板を指挿した。
看板を見てみる
看板に書いてある文字は全く読めない。
ん?
しばらくすると看板の文字が読める文字に変わっていった。
(皆んなで助け合い、命を救おう、献血)
献血の看板らしい… いや内容はどうでもいい!
なんでこの国の文字が読める?
このメガネなのか?
慌ててメガネを外して再度看板を見ると元のわからない文字になっていた。
メガネを再度付けて見るとやはりちゃんと読める。
「何これすっご!」
「そうでしょう〜 我が社が開発したサポートメガネです!」
可愛くドヤる妖狐さん。
いやいや、こんなの何処にもないから!
「このメガネだけで商売になるのでは?」
「そこは色々とありますから」
すごい爽やかな顔で誤魔化された。
「他にも色々ありますよ、そこの露店に行って見ましょう」
実はすごい会社なのか?
不安と期待に幾分興奮気味に露店に向かった。
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