スキル＜夢＞で睡眠鍛錬

プロローグ

　「お願い、起きて。起きてよ！＿＿＿！」

　俺は俺を呼ぶ誰かの声でゆっくりと目を開ける。

　目を開けた先には傷だらけの少女が目に涙を浮かべながら俺の顔を覗き込んでいた。

　少女は少し青みがかった黒髪に透き通った、まるでサファイヤのようなきれいな青い瞳をしていた。

　そしてその少女を見た瞬間またかと思った。

　なぜなら今俺が見ているこの光景、いや、この世界はもう何年も自分が物心ついた時から見る夢の中なのだから。

　しかし毎回見るこの夢は同じ場面を見ることは一度もなくしかし出てくる人物たちは大抵同じであるため俺が見るこの夢の世界は同一の世界であり毎回出てくる同じ人たちは友人、もしくは仕事仲間なのではないかと思っている。

　しかもこの世界なんといわゆるファンタジー世界。

　剣と魔法、そして魔物が存在するのである。

　自分自身なぜこんな世界観の夢を見るのか分からないが昔は、結構リアルに魔物の切り付けられた死体などを夢に見て泣きながら夢から覚めたものである。

　しかしなれとは怖いもので今では特に何も思わない。

　しかし不思議なことになぜかこの夢は五感がハッキリしているのである。

　触ったものの感触、口にした料理の味や匂い、耳に入る人の声や物音、そしていろいろな景色、そのすべてが自身の脳へと今感じているものは夢ではなく現実なんだと主張してくる。

　しかし自分の意志で体は動かすことは決してできないその要素だけがここが夢の中なのだと感じさせる。

「＿＿＿＿！よかった、モナルダ！＿＿＿＿が起きたわ！」

「わかりました！イフェイオンは、時間稼ぎをお願いします！その間に＿＿＿＿を治します」

「了解！サルビア！私とブロディにバフをお願い！その後にベンダーと一緒に遠距離から援護を頼んだわ！」

　イフェイオンと呼ばれていた少女が仲間たちに指示を出し一気に駆け出す。

　その光景を背にしながらモナルダと呼ばれていた短い金髪に琥珀色をした瞳の女性が光る手を夢の中の俺の腹部へと近づける。

　おそらく今までも何度か見た回復魔法だろう。

　しばらくの間モナルダはずっと同じ体制で小さく何かをつぶやきながら回復魔法をかけ続けてくれていたが突然手を止め泣き出してしまった。

「ごめんなさい........ごめんなさい＿＿＿＿。私にはもうあなたを助けてあげられないみたい.........何度やっても......あなたの傷が塞がってくれないの」

　その言葉に夢の俺の視線が腹部へと向かう。

　そこにはぽっかりと穴が開いていた。

　それを見て俺は「ああなるほど、確かにこれは治らないわ」と思った。

　それと同時に道理で穴が開いている部分だけ何の感覚もなく、そして空気が抜けるような呼吸しかできないわけだと思った。

「気に.......すんな、モナ.....ルダ。攻撃を.......受けた.....俺の責任..........だしな」

「違う........違うわ！私が、私が未熟だから.......！」

「泣くなよ.......なぁ、モナルダ.......最後に、一回だけ......力、貸してくれないか？」

「＿＿＿＿、一体何を.....」

　俺は先ほどよりも感覚がしなくなった体をここまで俺を支え続けてくれた得物（相棒）を使いどうにか立ち上がると、遠くのほうで戦う仲間の一人である魔法使いサルビアに向かって血を吐き出しながら叫ぶ。

「サルビア！ゴフッ.......俺に全種類のバフをかけろ！ゴホッ、ゴホッ.......モナルダ、俺が倒れない.......ように.......回復魔法をかけ.....続けてくれ。」

「＿＿＿＿...........わかったわ」

　モナルダの回復魔法と同じぐらいのタイミングで体に力がみなぎる。サルビアのバフだ。

　俺は自分の残った魔力すべてを手に持つ武器へと流し込む。

「イフェイオン！受け取れ！」

　俺は力いっぱい叫ぶと、全力でイフェイオンへと武器を投げた。

　たとへ死にかけの体だとしてもバフてんこ、起きて。起きてよ！＿＿＿！」

　俺は俺を呼ぶ誰かの声でゆっくりと目を開ける。

　目を開けた先には傷だらけの少女が目に涙を浮かべながら俺の顔を覗き込んでいた。

　少女は少し青みがかった黒髪に透き通った、まるでサファイヤのようなきれいな青い瞳をしていた。

　そしてその少女を見た瞬間またかと思った。

　なぜなら今俺が見ているこの光景、いや、この世界はもう何年も自分が物心ついた時から見る夢の中なのだから。

　しかし毎回見るこの夢は同じ場面を見ることは一度もなくしかし出てくる人物たちは大抵同じであるため俺が見るこの夢の世界は同一の世界であり毎回出てくる同じ人たちは友人、もしくは仕事仲間なのではないかと思っている。

　しかもこの世界なんといわゆるファンタジー世界。

　剣と魔法、そして魔物が存在するのである。

　自分自身なぜこんな世界観の夢を見るのか分からないが昔は、結構リアルに魔物の切り付けられた死体などを夢に見て泣きながら夢から覚めたものである。

　しかしなれとは怖いもので今では特に何も思わない。

　しかし不思議なことになぜかこの夢は五感がハッキリしているのである。

　触ったものの感触、口にした料理の味や匂い、耳に入る人の声や物音、そしていろいろな景色、そのすべてが自身の脳へと今感じているものは夢ではなく現実なんだと主張してくる。

　しかし自分の意志で体は動かすことは決してできないその要素だけがここが夢の中なのだと感じさせる。

「＿＿＿＿！よかった、モナルダ！＿＿＿＿が起きたわ！」

「わかりました！イフェイオンは、時間稼ぎをお願いします！その間に＿＿＿＿を治します」

「了解！サルビア！私とブロディにバフをお願い！その後にベンダーと一緒に遠距離から援護を頼んだわ！」

　イフェイオンと呼ばれていた少女が仲間たちに指示を出し一気に駆け出す。

　その光景を背にしながらモナルダと呼ばれていた短い金髪に琥珀色をした瞳の女性が光る手を夢の中の俺の腹部へと近づける。

　おそらく今までも何度か見た回復魔法だろう。

　しばらくの間モナルダはずっと同じ体制で小さく何かをつぶやきながら回復魔法をかけ続けてくれていたが突然手を止め泣き出してしまった。

「ごめんなさい........ごめんなさい＿＿＿＿。私にはもうあなたを助けてあげられないみたい.........何度やっても......あなたの傷が塞がってくれないの」

　その言葉に夢の俺の視線が腹部へと向かう。

　そこにはぽっかりと穴が開いていた。

　それを見て俺は「ああなるほど、確かにこれは治らないわ」と思った。

　それと同時に道理で穴が開いている部分だけ何の感覚もなく、そして空気が抜けるような呼吸しかできないわけだと思った。

「気に.......すんな、モナ.....ルダ。攻撃を.......受けた.....俺の責任..........だしな」

「違う........違うわ！私が、私が未熟だから.......！」

「泣くなよ.......なぁ、モナルダ.......最後に、一回だけ......力、貸してくれないか？」

「＿＿＿＿、一体何を.....」

　俺は先ほどよりも感覚がしなくなった体をここまで俺を支え続けてくれた得物（相棒）を使いどうにか立ち上がると、遠くのほうで戦う仲間の一人である魔法使いサルビアに向かって血を吐き出しながら叫ぶ。

「サルビア！ゴフッ.......俺に全種類のバフをかけろ！ゴホッ、ゴホッ.......モナルダ、俺が倒れない.......ように.......回復魔法をかけ.....続けてくれ。」

「＿＿＿＿...........わかったわ」

　モナルダの回復魔法と同じぐらいのタイミングで体に力がみなぎる。サルビアのバフだ。

　俺は自分の残った魔力すべてを手に持つ武器へと流し込む。

「イフェイオン！受け取れ！」

　俺は力いっぱい叫ぶと、全力でイフェイオンへと武器を投げた。

　たとへ死にかけの体だとしてもバフてんこ盛りの状態で投げた武器はとてつもない速さでイフェイオンへと迫る。

　そして当たると思った瞬間イフェイオンは華麗に避けそしてそのまま武器を握る。

　その時かすかにイフェイオンの「ナイスタイミング！」という声が聞こえた。

　そしてイフェイオンは勢いそのままに敵を切りつけた。

　切り付けられた敵は雄たけびを上げながら塵のようになり空気中に舞うように消えていった。

　それを見届けたイフェイオンは元気よく振り返り俺に向かて満面の笑みを浮かべながらグッとこぶしを突き出してきた。

　おれはそれに対して笑顔を浮かべながら親指を立てた。

　その瞬間限界が来たのか俺は地面に倒れた。

　そんな俺に向かって仲間たちが名前を呼びながら近づいてくる。

　徐々に視界もかすれはじめ耳も聞こえなくなっていく。

　かすむ視界の中俺の顔を覗き込む仲間たち。

　何かを必死に叫んでいるか何を言っているのか分からない。

　そんな中俺の頬に何か暖かい水滴が落ちた感覚がした。

「......ああ、楽しい......人生、だった、な。お前ら、は......俺の.........俺の自慢の.........仲間たちだ。お前ら.......元気........でな」

　そして夢の中の俺が完全に目を閉じたときどこからか声が響いてきた。

『これより世界のアップデートを開始します』