第2話
現在高校二年生の俺。
名前は山吹シンジ。
俺は家から遠く離れたコンビニまで
わざわざチャリを走らせていた。
何故かって?
そう。俺は成人向け雑誌を買うためだった。
やがて、コンビニに辿り着き、
俺は疲れた顔してクーラーの効いた店内へと
入って行った。
直ぐに左に折れ、俺は雑誌コーナーへと
歩みを進めて、お目当のものを商品棚から
引き抜いた。
そして、迷わず。
他の物は買わずにレジへと向かったんだ。
だが。
しかし。
俺は思わぬ落とし穴に落ちることになる。
「いらっしゃいま...」
店員と目が合い、店員がエロ本に目を落とした。
再び、店員が俺と目を合わす。
「うわ.....」
店員は女。
しかもな。
同じ高校に通っていて、同じクラス。
とにもかくにも美少女だけど、ツンツンした
俺の幼馴染が会計係として俺の目の前に君臨していたんだ。
レジにやって来て。
エロ本を差し出し、俺は狼狽した。
慌ててそれを引っ込め、
「間違えた。俺は漫画本を買おうとして
此処に来たんだ...」
と嘘を吐き、その場を後にした。
「そうですか...」
と幼馴染な店員は商品スキャンをしようとして手を止めた。軽蔑の眼差しで俺を見てた感があった。
俺は。
買いたかった本は買えなかった。
代わりに読みたくもない、漫画雑誌を
買って帰ることとなった。
さて。
この日の夕方のことだ。
俺の家のすぐ隣の家に住んでいるアイリが
家に訪ねて来た。
ちょうど両親ふたりとも仕事の出張で不在で
家には俺ひとりだけだった。
「何しに来たんだ?」
そう尋ねると、
アイリはいつもみたく。
日常みたく。
学校生活及び、私生活での
アイリの態度で俺に対してこう言った。
「ご飯作りに来てやったのよ!」
そう言うアイリは。
確かに、左手に買い物袋を提げていて。
更に右手に赤いトートバッグを持っていた。
「お邪魔するわよ...!」
「あ、ああ...」
例によってつんけんしてる。
俺は、幼稚園時代からの幼馴染ではあるが
アイリのやつが、苦手だった。
美少女ではあるが、
いかんせん、言動、態度ともに可愛くなかった。
だが。
しかし。
俺はリビングにてテレビも視聴しつつ、そんでもってゲームもして遊ぶという聖徳太子みたいなことをやってのけていたのだが。
台所に立とうとしたアイリが服を脱ぎ出したので、
慌てふためくこととなった。
「おい、おまえ、いきなし何やってんの...!?」
「なんで、洋服を脱ぎ出すの... !?」
するとアイリに睨まれた。
「バカね...。あんたが買い損ねた雑誌、
私、バイト後、立ち読みしたのよ...」
「そしたら、あんたの好みが分かったって
ゆーか!?つまり、シンジは!!裸エプロンとか好きなわけね!?」
「え、あああ..」
コンビニに居た時より、
俺は狼狽ることになる。
「や、やめろ...!!ズボンを脱ぐな...
Tシャツも脱ぐな...」
「うるさいっ!黙ってなさいよ!
限界ギリギリまで、やってやろーじゃないの!
シンジが、そんなエロ本買わなくて済むように
目の前にいる女が!幼馴染である私が
その萌えるカッコ!をしてやろーじゃないの!」
マジで際どく。
此処から先はあんまり描写できないが。
幼馴染は一矢纏わぬ姿に
なり、そこから、フリフリレースのエプロンを
羽織りやがったんだ。
「おおおおい、服を頼むから着てくれ。
俺、どーかなっちまう!」
「バカね...!あんたをどーかさせる為に
来たのよ...!まったく、エロ本にうつる写真の女に
うつつを抜かしてる暇があったら、
現物を見なさいっっ!」
「待て待て。おまえ、俺のこともしかして
もしかすると好きなの??
エロ本の女に嫉妬しちゃった感じなの?」
「んもー!!そーだよ!」とふくれ顔したアイリ。
た、大変な事が起きた。
それからアイリは。
俺の首をぐいと引き寄せ、
自身の胸元へ、俺の頭を誘導したんだ。
ふかふかの感触。
俺が、
ひぇー!って悲鳴を上げた時だ。
「ベッドに行く?それとも
私はこのままカレーを作った方がいい?」
と急にデレデレ顔になった。
上目遣いで。
俺はこの時。
産まれて初めて、
幼馴染のこと、超絶かわいいって思ったんだ。
「ベッドに行く!!」
「そーこなくっちゃ!」
それにしても。
女の裸って、ほんと尊いよな...
エロ本を買おうとレジに来たら 会計係が美少女幼馴染だった件。 この事件後、幼馴染がヤンデレ? ツンデレ?化しました え、俺のこと大嫌いな筈ですよね? ど、どーしました?? 雲川はるさめ @yukibounokeitai
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