本屋で遭遇した陽キャのクラスメイトが、まさかのラノベ好きでした
さばりん
本屋で遭遇した陽キャなクラスメイト
俺、
目的は、新刊のラノベを買うため。
早速ラノベコーナーへと向かい、お目当ての新刊を手に取る。
「うわっ、この表紙絵最高だな」
思わず、表紙のヒロインがエロ可愛くて、顔がにやけてしまう。
早く読みたい気持ちを抑えつつ、レジへ向かおうとした時だった。
一人の女子生徒が入店してきたのは。
茶色の髪を揺らして、短いスカート丈を靡かせながら颯爽と現れたのは、クラスメイトの
クラスの中心人物であり、俺みたいな教室の陰にいる根暗ではなく、いわゆる陽キャと呼ばれる部類のJKだ。
あまり接点はないものの、ラノベを購入しているとバレたら恥ずかしい。
俺はどうにか切り抜けられないかと辺りを見渡す。
しかし無情にも、彼女はあろうことかラノベコーナーへと向かってきたのだ。
そして、俺の姿を視認すると、驚いた様子で目を見開いた。
「あれっ? もしかして松原君、だよね?」
「ど、ども……」
ヘコヘコと挨拶を交わす。
最悪だ。
よりにもよってクラスメイトにちょっぴり表紙がエッチなラノベを買っているところを見られるなんて。
黒歴史確定である。
「あーっ! そのラノベ、松原君も好きなの?」
すると、馬場さんが俺が抱え込んでいるラノベを指差した。
「私もそのラノベ買いに来たんだぁー」
「……へっ?」
馬場さんから予想外の言葉が出てきたので、俺は素っ頓狂な声を上げてしまう。
「ん、どうしたの?」
「馬場さんってラノベとか読むの?」
「うん、大好きだよ! なんなら三度の飯よりラノベだね!」
えぇ、嘘じゃん。
まさか、クラスの中心人物のJKがラノベ好きとか、そんなの信じられます?
「そのぉ……このことは、私と松原君だけの秘密ね」
軽く頬を染めつつ、俺と同じラノベの新刊を手に取った馬場さんは、照れくさそうに笑みを浮かべた。
その照れ笑いを見て、俺はちょっぴりドキリとさせられてしまうのだった。
本屋で遭遇した陽キャのクラスメイトが、まさかのラノベ好きでした さばりん @c_sabarin
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。