第24話 らいかんさんとアナリーさん手をつなぎ「せーの」で逝く。

わたしは、大精霊ちゃんに、彼女の羽について聞きました。


「大したものではないの。この世界には『世界樹の末裔』の木が至る所に生ええいるのはご存じ?」


「ええ。御神木なんて呼ばれている木のことですよね?」


「そっそ♪これを持っていれば、『行ったことのある末裔の木』に飛べちゃうの!勿論、この『本家世界樹』にもね。中々良いでしょ?」


「これ…魔王とか倒す人が持つべき超アイテムじゃない!持ってるの怖いはわ~。もう返さないし、勇者が来てもどちらもあげないけどね!!!」



「ん~。それだけ…この、スープには価値があるってことよ。」

大精霊ちゃん。そうは言うけれど、あなたの羽もなかなかですよ?


「考えてみて。作者が同じ「別物語」の神が求める、作者が違うゆりぞう神様の世界で、しかも妖精がこっそりごくり…なスープなのよ?」

確かに数年に一度しか飲めないですね…。


「略して、『異世界の元世界にいる神が求める、その別物語の異世界から異世界に飛んでやっとゲット出来たその異世界神秘蔵の神秘的なスープ』…。それだけの価値があって然だと思わない?…あのお味だし。」


略して、異世界の元世界にいる神が求める、その別物語の異世界から異世界に飛んでやっとゲット出来たその異世界神秘蔵の神秘的なスープ?


もう、訳がわからないですけど、わたしも納得してしまいました。



「最後に、ひとつだけお願いがあるのですが。」

十分過ぎるお土産を頂いたばかりですけど、大精霊ちゃんにお願いをしちゃいます。


「アナリーさんが起きたら、直ぐにでも羽で師匠さんの近くまで飛んであげたいの。それで、ここの皆へのスープの給仕をルリちゃんルラちゃんにお願いしておいて貰えませんか? それと…これを。」


わたしは、こっそり残していた虹色茸を大精霊ちゃんに渡します。

本当は、マリダお婆ちゃんにあげる予定でしたけど…。


ルリちゃん達にならいいですよね。


多分ですけど。ここの住民…。

今から…「狂った」ように…騒ぎますからね。(げっそり

それの相手して貰う『お駄賃』と考えれば…安いものです。(げっそり



「らいかんさん優しいね…。わかったよ!伝える。任せておいて!!」


ああ。大精霊ちゃん違いますよ。「優しさなんて捨てちまえ!わたしは、ライカンスロープなので尻尾を巻いて逃げるんだい!」が正解なのですよ。


 ◇


わたしは、アナリーさんの背中に膝を付け、両手を引っ張り「グギッ」として目を覚まさせます。わたし優しいので♪


そして、アナリーさんに大精霊ちゃんとの会話の内容を伝えて、わたし達は、彼女の師匠のいる場所近くの御神木まで飛ぶことにします。


名残惜しいけれど、この羽で何時でも来れるようになりましたからね。



後は任せた…若者よ。

わたしはもう、あの人馬と痛い老人とは話がしたくないのです!



「それじゃね。大精霊ちゃん。本当にありがとう。わたし達逝きますね。」


「またね!らいかんさんと…お告げの幸「運」の付いた人(ぷっ)。」


大精霊ちゃんに教わった、世界樹に触れて逝きたい場所を思い浮かべて「とぅ!」と言うテレポートの仕方。それをふたりで手をつなぎながら実践します。


「せーのっ『とぅ!』」



わたし達は、彼女の師匠が床に臥せている『王都』へ飛び立ちました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る