孤月

貴方の髪を梳かし、爪を切り、ただ心臓の鼓動を聴く。


今日の出来事を話す。


短針が相槌を打ち、長針が次いで返事をする。



夕日が沈む頃になると、私は一人部屋を出ていく。



影と歩く帰り道。


ぼんやりとした月明かりだけが、私の涙を知る。

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