第13話「西のアジトの攻防戦」
銃撃戦は続いているようでどこからともなく銃声が響いてくる。
「バレル君大丈夫かな?」
鳴り響く銃声にゆきは不安になり、バレルがだんだん心配になってきた。そして、意を決したゆきはバレルを追う事にした。
★★★★★★★★★
バンッバンッバンッ
繰り広げられる銃撃戦。バレットとピストレットは狙撃をなんとかかわしてつき進んでいく。しかし、バレルの狙撃がバレットの行く手を阻む。
「ピストレット!先に行ってくれ!」
「そんなっ…でもっ!」
「大丈夫だ!俺を信じろ!」
「わかったわ!」
バレットをその場に残してピストレットは迫りくる銃弾を避けながらアジトの深部へと駆け抜けていく。
「バレル!!」
バレルの方を見やるバレットはバレルの銃弾を避けながらピストレットの後を追う。貨物がたくさん置いてある倉庫内をバレットは右左に動き回り貨物の影に身を潜める。
「はぁはぁ」
バレットは息を潜めながら奥の通路へと駆け込んでいく。すかさずバレルがバレットを狙おうとするが撃つ前に走り去ってしまった。
「ちっ!」
バレルが走り去ったバレットを追おうと身を翻した時、バレルは偶然吹き抜けから下の三階を走るゆきを眼にした。
「あの、バカっ!!?」
★★★★★★★
「バレル君どこぉ~?!はあはあ、バレットもどっか行ったし、どうし……」
一休みに、立ち止まったゆきの眼の前にソレは現れた。
「あんた…」
「ピストレット…?」
ゆきが慌てて逃げようとするが、
「止まりなっ!!」
「ひっ?!」
ピストレットに止められ、両手を植えに上げる。
「あんた、思い出した。デリンジャーを殺そうと爆薬仕掛けた後逃げた先の通路ですれ違った女。なんで、ここにいる?」
「あ、え、えとぉ~。」
下手に答えれば殺されるだろう。ゆきは行き詰まった。
「あ!!バレット!!」
「へ?!」
ゆきが左側を指差してそう叫ぶとピストレットは指差す方へと一瞬視線を送る。その隙に右側の隣の通路へと駆け込む。
「バレットなんてどこに……なっ?!」
ピストレットが見るとゆきは去った後だった。
「やられたわ!いや、それよりバレットに合流場所を……」
★★★★★★★
バレットはアジト内各所に爆薬を仕掛けていく。そしてアジト内で強制労働させられている民間人達を解放する為に一旦地下へと向かった。
「はあはあ」
バレットは地下にいた民間人達を解放した。
「これで自由だぁ!!」
「解放されるー!」
「家に帰れるぞ!」
歓声が上がった。それを聞いたバレットは別ルートから入ってきた他の仲間にその場を任せ、再びアジト上部へと走っていった。
★★★★★★★
「どうなっている!!早くバレットと入り込んだドブネズミ共を駆除しろっ!!」
指令室には支部長室からの通信で
フィボナスの怒鳴り声が響いていた。
「そ、それが、地下で働かせていた民間人達が暴動を起こしておりまして、そちらの対応で手一杯で…」
「いいから早くなんとかしろっ!!」
「は、はいっ。」
「まさか、あのよくわからん小娘の言う事が本当になるとは……いや、まさかあの小娘がバレットと繋がって……?」
★★★★★★
ピストレットもアジト内に爆薬を仕掛けながらアジト上部を目指していた。
「はぁ、はぁ、バレット、そろそろ来る頃だと思うのだけれど……」
ピストレットが粗方アジト内に爆薬を仕掛け終わった頃、無線でいって置いた待ち合わせ場所にたどり着いた。待ち合わせして二人でフィボナスを倒しにいこうとしていた。
「っ!!」
ピストレットが吹き抜けの向かい側の下の階を見るとバレルがゆきを探して走っていた。
「バレル、ここで消えてもらうわっ!」
ピストレットは銃を構える。
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