第12話「侵入者」


「バレル君!」


「だからなんだ?」


「だから!今日なんだって!」


「今日?」


「今日バレット達がアジトへ侵入して攻めてくるの!!」


「侵入者の報告はないぞ?」


「東口から貨物に紛れて入ってきてるんだってば!!」


「……」


「だから、今すぐにっ、……うわっ?!」


「こいっ!行くぞ!」

バレルは片手に銃を持った。

ゆきはバレルに手を捕まれそのまま引っ張って行かれる。


「行くってどこに?」


「東口だ!」


なんとか信じてもらえたようだと安堵したのもつかの間。


ビー、ビーとサイレンが鳴り響いた。


[侵入者確認、侵入者確認。ただちに応援を要請する。繰り返す……]


「ちっ、遅かったか。」


「ほらね!言った通りでしょ?」


「ほらねじゃない!走れっ!俺がバレットを倒すっ!!」


「ぬおっ?!わぁ!!??」


勢いよく走っていくバレルに引っ張られながらなんとかついていく、と言うより引きずり回されながら東口を目指す。東口当たりにたどり着くと銃撃戦が始まっていた。


「お前はここにいろ。動くんじゃないぞ?」


「う、うん。」


バレルが銃撃戦を壁から除き込むとバレットはいた。


「バレットっ!」


バレルは銃を構える。スコープを除き込み照射を合わせた。


ドンッ


バレルの打った弾はバレットの左腕をわずかに掠め後ろの壁へと命中した。


「これはっ?!」


バレットが驚いて弾が飛んできた場所を見る。


「バレル。」


こうして因縁の二人が揃ってしまった。


「バレット!こっち!」


ピストレットがバレットを貨物を運ぶトラックへと誘導した。二人はトラックでそのまま奥へと突っ込んでいく。


バレルはバレットを狙う。バレルの打った弾はトラックのタイヤへと命中し、トラックは止まった。トラックの中からでたバレットとピストレットは細い通路へと駆け込んでいった。


「ちっ!」


バレルはバレットを逃さないとバレットを追う。


「あ、バレル君……」


バレットに気をとられていたバレルはゆきの事を忘れ、バレットを追っていってしまった。


「えと、私、ここで待機かな?」

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