ホースフレンドファームでの日々

あーこの引っ越し

 2021年7月30日、あーこは長らくいた乗馬クラブを離れ、ホースフレンドファームへと引っ越ししました。

 引っ越ししてしまうと、私の家からは90キロも離れてしまう。私の拙い車の運転では、片道2時間もかかってしまう。そうそう気軽には行けません。

 前日、19日に最後の騎乗をしました。


 随分と暑い日が続き、人馬ともに厳しい時期です。

 馬場は砂地なので、砂浜のような暑さになります。そこで、ハードな運動をすれば、熱中症になってしまう危険があります。

 具合が悪くなった経験は何回かありますが、本当にこれはまずい! という経験も1回だけあります。

 馬に乗って走っている時は、全く気がつかないのです。

 常歩にして歩いているうちに、あれ? と思い、下馬してみたら、なんか周り暗い。気分が悪くなって座り込んだ途端、動けなくなり、吐き気がして、人に頼んでアクエリアスを買ってきてもらい、それを飲んで、やっと動けるようになってきた……でも、馬の手入れができる状態ではなく、しかも、ものすごく暑くて30度あるのに、寒気がして震えている、そんな感じでした。

 なので、その時は、暑くなる前の早朝乗馬にしていました。

 その日は朝に雨が降り、シェルに乗っている時は土砂降りでしたが、即乾いてしまう。まぁ、この雨のおかげで、2頭乗りができて、あーことも乗り納めができたのですが。


 このクラブでのあーことの日々は、挫折の繰り返しで、なかなか目標にしていたことがクリアーできませんでした。

 他のオーナーさんを見つけるまで、と思って持ったのに、うまく行かず。

 A2の鬼に育てて、それをあーこのセールスポイントにしよう、と思ったのにうまく行かず。

 結局、ビッチリ乗ることのできない、故障がちの馬、というレッテルで終わってしまった。

 そして、この乗り納めの騎乗も、見慣れているはずのビール箱に驚いて物見しまくりで、駈歩もできず、散々な騎乗で終わってしまいました。

 乗れば乗るほど、あーこには上手に乗れなくなる、という状態で、このクラブでの最終日を迎えました。



 引っ越し当日。

 当初、出発は11時という予定でしたが、やはり、夏でものすごく暑くなる予定で、しかも頼んだ馬運車にクーラーはないとのこと、急遽、早めの出発でもいいだろうか? と言われ、10時に変更。ちょっと慌ただしくなってしまいました。

 ゴロンゴロンするのが大好きなあーこ。馬運車に乗ってしまったらゴロンできないので、たっぷりゴロンさせてあげました。

 馬房を綺麗に掃除して、たくさんある荷物もできるだけ最低限にして積み込み、なんだか感慨深いなぁ……と思いつつ、あーこを馬運車に。

 最初は躊躇した顔をしていたけれど、促すとすんなり入りました。でも、私が出ていくと、なんでオイラだけ置いていくんだよ! って顔をされました。


 急遽すぎて時間の変更を伝えることができず、あーこが去ってからマコさん登場。

 馬運車を追いかけて出発しました。

 ホースフレンドファームのある白老は、太平洋側で霧が多く、札幌ほどは気温が上がらない、馬にとってはいい環境の場所です。近くに、あの社台ファームがあります。(というか、その辺りが社台という地名です)

 あーこはすでに馬房に入っており、ここはどこ? オイラは誰? の状態でした。

 馬が環境に慣れるまでには、少し時間がかかります。

 今はまだびっくりしていても、時期になれるでしょう。

 ここには広い放牧場があり、ゆったり過ごすことができます。動物好きのスタッフたちなので、野生の鹿が追い払われることもなく、馬と一緒に草を食んでいます。

 引っ越した日は霧雨模様で、気温も低く、ちょっと慣れさせるために引き馬もしましたが、ほぼ、スタッフにお任せすることに。


 あーこの新しい日々が始まりました。

 あーこは、ここで約一年間を過ごすこととなりました。

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