孝司の理性

孝司は春乃に何回もキスをした。

ソファの背もたれに、春乃を、押し付けた。

「好き…」

孝司は、春乃に覆いかぶさる態勢で、キスをした。

2人見つめ合う。

孝司の片手が、春乃の頬を包む。

唇を軽く挟むようなキスをした。

春乃は、少しビクっとした。

孝司も、一回止まったけど、春乃の顔をみたら、止まらなかった。

それに春乃が応える。

(やばっ)

孝司は、体が熱くなった。


2人で、抱きしめあって、キスをして、頭が回らなくなる。

大丈夫かなとは、思ったが、深くキスをした。

春乃はびっくりしたけど、応える。

(やばい、止まらない…)

部屋に、キスの音が響く。


孝司の手が、春乃の体をはうように触った。

(…何コレ…。どうしよ…)

春乃もマネしてみた…。

孝司が反応して、さらに激しく触る。

服の中に孝司の手が入ってきた。


「だめ…」

春乃が体をそむける。

孝司はピタッと手を止める。

「…ごめん」

体を離した。


「ごめんね、やり過ぎた…」

孝司は、反省した。

「ごめん、まだ気持ちが…」

「うん、無理させちゃったね、ごめん」

「ごめん、できなくて」


「違う…。春乃が…すごく可愛くて。理性ぶっ飛んでた」

孝司が、自分の口元を隠しながら、下を向く。

「…そうなの?」

「うん…」

春乃が孝司の手を握る。

「次は…。頑張る…」

「だから、頑張らないで…」

「だって…」


孝司は、春乃をそっと抱きしめた。

「俺の理性が持たない…」

「持たなくていいんじゃないの…?」


孝司は春乃と反対方向に倒れ込んで、顔を突っ伏した。

「もう!」

「え?」

「爆弾放り込むな…」

「え?」

「聞き返すな」


孝司はのそっと起き上がって、横目で春乃を見た。

「何?」

「可愛い」

「え?」

「…好き」

「え?」

「バカ」

「おいっ!」


孝司は笑って、春乃の乱れた髪を撫でて、とかす。

(さっきより、ドキドキするかも…)

「可愛い…」

孝司は、優しい声で言う。


「孝司…」

「ん?」

「孝司もカッコいいよ…」

「…お世辞はやめなさい」

「お世辞じゃないけど?」

「…ま、春乃の好きなタイプ、ちょっと地味めだしね」

「声が好き」

「やっぱ顔じゃないじゃん」

「私は好き」

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