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  • 丹後ちりめんの足袋入れへの応援コメント

    本当にいいお話でした。
    うちのお袋が亡くなった時を思い出しました。
    お袋との最後の会話は口喧嘩でした。
    お袋の遺影は、亡くなる十年以上前の写真でしたが、故人の姿とギリギリセーフと判断して父と一緒に選びました。

    白いカーネーション、丹後ちりめんの足袋入れ…と遺された物で感情が揺さぶられる雰囲気がよく出ていた作でした。

    作者からの返信

     この作品は実体験も含まれているわけですが、私小説にはしたくなかったので、その塩梅が難しかったです。

     普段は、奇妙な話にどうやってリアリティを持たせるかが課題なのに、この作品は元がリアルなだけに、逆にどうやってリアルさを削ぐかという、妙な調整で苦労することになりました。


     人がいつ死ぬかはわからないことが多いので、喧嘩したのが最後だった、ということは起こりがちなんですよね。
     それを気にしてもしょうがないんですけど、どうてもそれが心の中で引っかかる、ということはありますね。

     遺影選びは、遺影として使えない、あるいは使いにくい写真というのが結構あるんで、写真はいっぱいあるのに、思ったよりいい素材がない、ということがあったりするんですよね。
     使おうと思っていた写真が、写真屋に遺影としては使いづらいと言われたりすることも。

  • 作品解説 ――Moonbowへの応援コメント

    全編企画ありきと、まったく予備知識無しで拝読いたしましたが……最後まで自分的に新味がいっぱいあって楽しかったです。

    どれも印象深かったので甲乙つけるわけではありませんが……
    カクヨムコンに出された「その涙さえ命の色」
    「一夜のキリトリセン」「きみに会うための440円」
    この三つを挙げたく。何度か読み返すとまた発見もありそうな。

    「キリトリセン」からなるほど、自分的にちょっと合点がいったのは、全部向こうのアーティストの歌詞っぽいなと。断片的で、言葉遊び的。コンセプトがあるようでなく時に投げっぱなし(失礼な意味じゃなく)。サイケデリックだったり破綻した様式美だったり。このあとがきで結構腑に落ちました笑

    Pink Floydは"Momentary Lapse of Reason"以降離れていたので(二枚出してる?)久々に聴いてみようかなってなりました。ていうかやっぱり作文にPink Floyd感あった笑

    作者からの返信

     決められたタイトルで作品を書くのは難しい課題で、私の場合はさらに、勝手に色の副題を付けて連作にするという縛りを課したわけですが、だからこそ書けたタイプの作品も多かったです。

     これを書いていた頃の私は、音楽的な世界観を文章にしたいと思い、何年も苦労していたわけですが、この連作はその練習にちょうど良かったです。おかげでだいたい狙ったように書けるようになりました。

     ただ、カクヨムでこの手の作品で訴求するのは難しいものがあるので、とりあえず、もっとカクヨム向きの作品を書くべきだろうとは思っています。


     Pink Floydは系統的に聴いたことがないので、実は何を出しているかよくわかっていなかったのですが、調べた限り、どうやら"A Momentary Lapse Of Reason"以降だと、"The Division Bell"と、"The Endless River"の2枚だけみたいですね。あとはライブやベスト盤とか。
     ……アルバムを全部聴いたことがあるのを、今知りました。

     "The Division Bell"と"The Endless River"は、あまりおすすめはできないアルバムなんですよね。解説にリンクを付けておいた"High Hopes"のPVは、よくできていると思いますが。へんてこ映像的な意味で。

     "The Division Bell"に関しては、アルバムそのものよりは、できれば"P.U.L.S.E"ライブの映像で観るのをおすすめします。
     "The Division Bell"の曲は地味なので、聴くだけだとつまんない感じがあるんですが、"P.U.L.S.E"ライブは大掛かりなステージ演出で視覚的な効果を出していることと、他のアルバムの曲と混ぜて演奏されるので、そのおかげでアルバムで聴くよりいい気がします。

     もっとも、"The Division Bell"の曲そのものより、"Shine on You Crazy Diamond"や"One Of These Days"が聴けるということに価値があるライブのような気もしますが。


    [追記]
     Pink Floydの件を書くのに夢中で忘れていましたが、レビューを書いていただきありがとうございました。

    編集済
  • 存在について……?
    まま、考えるより感じろで参ります。

    作者からの返信

     この作品は連作のエピローグ的位置づけで、4月の続きみたいな形をとっています。

     あとは、読者のいない作品は存在しないに等しいという、PV0がちな私の作品への皮肉という面もありました。
     すごくひねくれていますが、この作品を存在させてくれてありがとう、読んでくれてありがとうという意味の作品ともなっています。

  • 探し続けること自体がそうだとしたら……果てしない人生への問か、壮大なギャグか。ちょっと考えたフリをしてみました笑

    作者からの返信

     なんかボトムズの次回予告みたいな言い回しですね(笑)

     素直に恋愛ものを書けばいいのに、わざと外して変な作品を書くという、よくある私のパターンです。

     自分が何を探しているかわからないというのは、意外とあるっちゃあることなんですよね。雪原でそれを探すのはどうかとは思いますが。

  • 哲学問答のカオスで知恵熱を授けるサンタクロース……

    作者からの返信

     これは、タイトルからハッピーなクリスマスネタしか思いつかなくて、締切ぎりぎりに書いたやつです。どうしてもハッピーなクリスマスを書きたくなかったんですよね。

     謎を放置する作品はあまり好まれないですが、好きな人は好きなはずなんですよね。問題は、そういう人がカクヨムを利用しているのか、ということですが。

     これを書いている時、私が舞台として思い浮かべていたのは京橋駅の周辺でした。あのごちゃごちゃしたところに誰もいなかったらさぞ気持ちいいだろうなと。

  • 月並みですが、不思議でした。男は人にあらずだったのか……

    前回のコメント返信で、いろいろとまた涼格さま作品を紐解く手材をいただいたわけですが。ただ、以前にも読み手それぞれに解釈があっていいともおっしゃっていただいたので、結局は「感覚的に心地よいか」───この点で文章と己を馴染ませ合うみたいなシンクロ感を楽しんでいます。

    「夕暮れ」と「愁い」は、最後の一行に結ぶまでの抑揚の閉じ込め方はすごいなと思いました。ひょっとしたらfenneszぐらいなアンビエントの扉が開くかも笑
    https://www.youtube.com/watch?v=skygudx8Rrs&ab_channel=SeriousPenguin

    作者からの返信

     これはお題のタイトルの解釈が難しかったです。記憶を踏みつけるって何? と。他の参加者も苦労していました。

     この作品は、もともとは男を主人公にして書いていました。喫茶店から出たら山に登って写真の風景を探すけど見つからないのを何度も繰り返す様子を描いていましたが、喫茶店のマスターを主人公にしたほうが良さそうだったので書き直しました。

     小説はだいたい物語の中心人物を主人公にしますが、端役の立場から物語を見るのもオツなんですよね。自分の知らないところで物語が進行して、なんかよくわからない内に終わっている、という。

     あと、のちのち4月や3月の作品を書く時の伏線になるかもしれないと思って、桜を出しています。「桜花一片に願いを」を書く時は、一応この作品を意識して書きました。


     Fenneszの"Endless Summer"は聴いたことがなかったですが、ノイズが使われているわりには普通に聴けますね。私はあまりテクノには詳しくないですが、知っているアーティストの中だとOvalと作風が近い気がします。

     私が小説を書いているときに想定しているのは、もっとメタル的な世界観なのですけど、地味な作品を書くときは、メタルくらい派手なイメージを持っておかないと、本当に退屈な作品になってしまうから、というのはあります。なので、最終的にそこそこ普通に聴けるバランスのいいノイジーアンビエントに落ち着いているのなら、そう悪くないのかもしれません。明らかにカクヨム向けではないですが。

  • 怒涛の色彩感でした。ただただ。

    作者からの返信

    「夕紅とレモン味」と「愁いを知らぬ鳥のうた」は、どちらも私の技術の限界に挑戦した作品で、数年間いじり続けていたものです。何十回書き直したかわかりません。

     この連作は、実際には「夕紅とレモン味」が1作目となります。4月~8月分は、1月~3月くらいにかけて書いたはず。
     当時、カクヨムを利用したてだった私は、あまりにもPV0が続いたために精神に変調を来し、どうせ読まれないんだったらゴリゴリのお芸術に走っちゃうぜ! と、こんなもんを投稿していました。

     ただ、この辺で正気に返り、反省して、次からはもっと人に読ませられるものになっています。


     この作品に関しては、とにかく冒頭の真っ暗闇の中を歩くシーンをどう書くかでさんざん苦労しました。なんにも見えないのに何を書くのよと。実際に夜に森の中に入ってみたりとか、結構命がけな取材をしたり。

  • 何がって言い表せない、そのもどかしさが面白い。
    なんだろう……日長ぼんやり湖畔のデッキチェアに寝転んで、たまにコーヒー飲んだり、湖面に石を投げて波紋を眺めたり。そんな感じを味わってますね。本編の感想じゃないんですが笑

    さすが読むアンビエント。

    作者からの返信

     月とイタズラをしに行くという変なシチュエーションの作品ですが、童話ならありそうですし、稲垣足穂が『一千一秒物語』という掌編集で、お月様と酒を飲んだり喧嘩したりする作品を書いているので、そこまでオリジナリティがあるわけでもありません。

     これも教訓とか文学的作為とかはできるだけなくそうとしており、雰囲気さえ味わってもらえればそれでいいという感じで作っている作品ですね。

  • 夏思いが咲く ――Orangeへの応援コメント

    二人の関係性、遠っ 笑
    ……なのにささやかな奇妙が関心を深め合うきっかけに。

    だんだん涼格さまの作風の「留め具合」みたいなのが自分の中で馴染んでまいりましたが……笑 ぜひ本作の意図なども、お時間あるときにご教示くださいませ。

    作者からの返信

     これもタイトルが先に決まっていたわけですが、このタイトルから素直に物語を考えると、だいたい恋愛ものに落ち着くんですよね。彼氏と花火大会に行ったとか。
     それでうまく書けるならいいんですけど、私には無理だと思ったので、要素をいくつかずらすことにしました。それで、よく知らない同級生と、よくわからない発光現象を見物に行く話にしたわけです。

     これは自主企画の締切がとっくの昔に過ぎた後に、私が自主的に書いた作品だったので、ほとんど読まれる機会もなく、読者の反応はほんど得られませんでしたが、私の作品にしてはまあまあ一般受けしやすい方じゃないかとは思っています。
     夏の夜によく知らない人について行くというシチュエーションは、比較的読者を引きつけやすい出だしなんじゃないかと。冒頭を読まれさえすればわりとなんとかなりそう。

     もっと早くこの企画の存在を知っていれば……と思ったりもしましたが、確か私がカクヨムを利用する前に出されたお題だったんじゃなかったかと。なので、間に合わすのは絶対無理ではありました。

     知らない人について行くパターンは、この掌編連作で何回か使った手なので、また出てきます。

  • 哀惜……虚無……不始末の行方。何でしょうね。でも何にもならないし、どうにもならない。いい余韻の一篇でした。

    とりあえず、気が向いたらあおぞら文庫でも覗いてみます笑

    作者からの返信

     これは、お題としてこのタイトルが与えられていなければ、絶対書かなかったタイプの作品ですね。
     確か、夏目漱石のペンネームの語源から思い付いた話だったような。昔の中国の故事で、「石を枕にして、流れで口を漱ぐ」と言うべきところを「石で口を漱ぎ、川を枕にする」と言い間違えた人が、それを指摘された時に「石で歯を磨き、川で耳を洗うという意味だ」と言い張って間違いを認めようとしなかった、という話から。
     今考えると、この故事については作品に入れ込んだ方が良かったかもしれません。

     作中にもあるように、この人は登場する作品を読んでいない設定なので、元ネタを知らなくても問題はありません。
    『人間失格』は、サイコパスヒモ野郎のダメっぷりを描いた作品で、文学作品だと思わなければ面白いと思います。『草枕』はちょっと哲学的過ぎるし、話の設定や展開も生真面目すぎて、面白さで言うとどうかなぁと思いますね。あんまりおすすめしないです。


  • 編集済

    あはははは笑
    これも好きですね~。オチも綺麗に。
    昔よくバラエティでやってた「電流イライラ棒」を見てるような感じでした。

    作者からの返信

     この作品は、この掌編集の中では最もショートショートの基本に忠実な形式だと思います。一番ウケが良さそう。
     そう思いながらも自分の趣味を優先して、わけのわからない作品を書くわけですが。

     こんな券売機は絶対にないと信じたいですが、ありそうな感じもするのが嫌なところですね。

  • わあ~。こういうのもお書きになるんですね。
    しっとりしていて、とても好きです。

    ……読む季節間違えたな笑

    作者からの返信

     この作品に反応があるのは意外でした。なかなか地味な作品なので、これが好きという人はそういないだろうなと思っていたのですが。もちろん、私は好きだから書いているわけですが。

     これもいわゆるアンビエントなやつの一種ですが、普通だったら音楽の歌詞として使いそうな内容を小説に落とし込むような書き方をしているので、その辺の影響で、他の作品とは異なった雰囲気が出ているのかもしれないです。私もよくわからないですけど。

     これは自主企画のために書いた連作でして、月に1回、全12回で、お題として出されたタイトルで作品を書くという企画でした。カクヨムで検索すると同じタイトルの作品がいくつか出てくるはずです。
     私はこのお題に、それぞれ色の副題を付け、作風を変えるという課題を追加して参加していました。というわけで、それぞれ書き方が少しずつ異なっています。

  • 旧作・作品解説への応援コメント

    「世界最後の日」が好きですね。理屈に傾くハイティーン〝らしからぬ〟抜き加減というんでしょうか。やっぱり今日のベースはあるのですね。
    余韻や読者に考える余地を託す感じが濃く出ているのは「第二の星新一を目指す」若気に至っているというんでしょうか。(不勉強な感想にて……

    それにしも、向学心というか腰が軽い!
    「~に似ている」と言われてすぐ手にとる姿勢が素敵です。自分ならその五分後に学食でカレー食って忘れてそうです。


    ……あ!
    そういやこないだ初めて丸源ラーメン行ってきました!
    つけ麺なんで御酢は試せませんでしたが……美味しかったです。

    作者からの返信

    「世界最後の日」は、私が目指している作風の原点のひとつです。結局、書きたいものはこの頃から変わっていない気がします。
     この頃のほうがショートショートの基本に忠実な作り方をしていて、オチを重視しているので、わかりやすいし、余韻を感じやすいというのはあるかもしれません。

     最近の作品は読者がほとんどいないのをいいことに、相当趣味に走っているものが多かったので、あんまり人に気軽に「読んでね!」と言えないんですよね。


     誰かの作品に似ていると言われるのを嫌がる人もいますけど、私はむしろ、そういう情報は貴重だと思っています。
     作品を書くときには「誰々風」みたいなのを想定して書くことが多いですから、狙った通りに感想が来れば、それはそれでいいですし、想定と違った作家と似ていると言われたら、それをチェックすることで自己分析できます。
     そもそも、名のある作家の誰かに似ていると言われるのは、褒め言葉だと思うんですよね。


     丸源に行ったという話はそちらの近況ノートで読みましたが、つけ麺を頼んだんですね。私は逆につけ麺を頼んだことがないです。
     試したい気はあるのですが、私が丸源に行くこと自体が数ヶ月に一回とかで、行きたくなったときは肉そばが食べたいから行くわけなので、なかなか違うものを頼む機会がないです。

  • 幸せの電話への応援コメント

    旧作二編にもう今日の片鱗が出ておりますが……この頃のほうが抑揚がわかりやすいですね。どうやったら現在のあのような読むアンビエントみたいな作風になるんだろう……

    作者からの返信

     この頃の作品は、掌編の基本的な構造に沿った書き方をしているので、わかりやすい形になっていると思います。うまいかどうかはまた別の問題ですが。

     私の作品がなぜアンビエントなのかは、私がああいう作品が好きで、かつ、ああいう作品が少ないからです。あるっちゃあるんですが、かなり読むのが大変なやつばかりなんですよね。これ系で手軽に読める作品はあまりないです。
     ないものは自分で作ろうということで書いているわけですが、作品数が少ないということは、好きな人も少ないということでもあります。みんな好きなら、もっとこのジャンルが流行っているはずですし。

     ただ、『孤独のグルメ』みたいな、こんなの一体誰が読むんだというマニアックな漫画が、なぜか突然めちゃくちゃブームになるという謎現象が起きることもあるので、世の中わからんものではありますけどね。

  • 十年ほど前に、東京のどこだったか忘れましたが……戸建ての大きな蔦屋書店に入った時を思い出しました。外観も四角四面なコンクリでしたし。さすがに中庭は無かったですが。

    >七百円の高級ランチにいきなり手を出すのは畏れ多かったので、私はふうやれやれなどと心の中でつぶやきつつ、余裕たっぷりに窓の外を眺めることにしました。
    この一文の、何とも言えないありそうな、自分への寄り添い感がよかったです。

    また勝手な所感を書きますが……
    今まで拝読している作品って、どれもメタル的な高揚感を感じなくて。どちらかと言えばアンビエント系を聴いている感覚を覚えます。それかピンクフロイド。

    作者からの返信

     豆腐な建物に入っている本屋自体は、あってもおかしくないはずだと思います。私の祖父の実家の近くには、豆腐な建物が結構あったんですよね。そういう建物に本屋が入ったら、この作品に出てくる本屋の外観に近くなるはずです。
     ただ、この本屋はだいぶおかしいですけどね。二階建てくらいの高さしかなかったはずなのに、中に入ったらやたらと高層階までありますし。

     700円のランチで恐れおののくのは、まんま大学時代の私です。私の大学時代の基準は学食の310円の定食だったので、その倍以上の値段なんかありえなかったです。
     今だとインフレの影響もあって、ランチ700円だとむしろ安いと思うようになってしまいましたけど。

     アンビエント的な作品ばかりというのは、その通りだと思います。
     高校時代まではメタルな作品も書いていたんですけど、それは仲間内で「こういう話を書いたら面白くない?」と盛り上がって、じゃあ実際書いてみようとなって書いていたんですよね。私が自由に好きな作品を書くと、だいたいアンビエント系になります。で、だいたいオチが弱いとか、カタルシスがないとか言われます。

     本来、こういうのはバランスを取るべきですが、メタルかつアンビエントな作品というのがかなり難しいのは、音楽的に考えても、なんとなくわかると思います。書けるものならそうしたいんですけど、簡単ではないですね。

  • うちのパン屋が襲撃されるへの応援コメント

    村上春樹を読んだことが無い自分にも、如何に嫌いかだけは伝わりました。
    この掌編好きだなあ……感覚的にですけれども。

    あ、冒頭でケージの話を出したのはすいませんでした。
    あれは姿勢こそ前衛ですが、要は聴衆各々で何か聴き取ってっていう時間を提供することでして。何となくそんな感じかなと勝手に想った次第です。

    作者からの返信

     文学作品は犯罪行為に高尚な意味を持たせがちで、パン屋を襲撃したり、金閣寺に放火したりすることに、哲学的な何かがあるかのように見せるんですよね。そして、そういう作品が評価されます。

     私はそういうのよりは、ただ無意味に殴られてパンを持っていかれるだけの話の方が好きなんですよね。なんで小説ごときでいちいち人生について考えさせられる教訓を含めなきゃいけないんだと思ってしまう。
     ただ、無意味な作品は読者に満足感を与えにくくて、「え、これで終わり?」と思わせがちなので、その辺をなんとかしたいんですよね。それができれば苦労しないんですが。

     ジョン・ケージの話は気にしていません。どう読むかは読み手の自由ですし、それについて作者がどうこう言う筋合いのものではないですから。

     むしろ、作者の意図と読者の読みがズレることに意味があると思うんですよね。作者は一応、意図通りに読まれることを目標に書くんですけど、それでもズレるからこそ面白いのだと思います。
     私が自分の作意について積極的にバラしているのは、そのズレがわかることによる面白味があるかもしれないと思ってのことです。

  • 涼格さん、念のためにお伺いしますが、この豆腐本屋は実在している(ノンフィクション)のですか?

    作者からの返信

     これは、一応モデルはあります。豆腐の外観は祖父の家の近くにあった小さな本屋や、アパートか何かの建物。入り口は確か京都市で一度入ったことのある店が原型。中は今まで行ったことのある本屋や百貨店などがいくつか混ざっています。

     この作品は、実体験と、夢で見た内容をつぎはぎして作っています。店員にいきなり荷物を渡されたりするのは完全な創作ですけど。
     ところどころ実体験を混ぜることでリアリティが出るんじゃないかな、と思って作った作品ですね。

    編集済
  • 劇場喫茶店への応援コメント

    劇場に何を見るかは個々人まかせ……ということでしょうか。
    ジョン・ケージの「4.33」を思い出しました。

    作者からの返信

     ああ、「4分33秒」みたいな前衛的な何かを狙ったわけではなくて、もっと単純に、アルバムのオープニングトラックみたいなのをイメージしています。
     この掌編集の雰囲気作りのための作品ですね。「これから何か始まるよ」といった感じでしょうか。

     小説であんまりこういうタイプの作品は見かけないので、「なにこのオチのない話」と思われるリスクが高いのはわかっているのですが、私が目指している小説の理想形がこういうのなんですよね。こんなのがカクヨムで受けるわけないんですけど。

     あと、ポッキーの話でこの喫茶店の設定を使いましたが、後々あれをこの掌編集に組み込むと、なんとなくいい感じに収まる予定です。

  • 南国の木漏れ日への応援コメント

    ふふふ… 私ならかなり面倒くさいマスター、と思ってしまいます。
    それでも、そんなマスター付き合おうとするなら、「キンキンに冷えたビールをください」と無いのを覚悟でオーダーするかもしれません(^^;

    作者からの返信

     お話の中だから、なんとなく良さげに見えますが、現実では、こんなマスターのいる喫茶店とは関わりたくないですね。

     これを書いたときは高校生だったので、当時は酒類のことは考えていませんでしたが、この店ならビールくらいは出しそうですね。飲まなきゃこのテンションには付き合ってられないって人は多そうですし。

  • うちのパン屋が襲撃されるへの応援コメント

    不思議なお話で、とても面白かったです。
    春樹ディスりも(笑)

    作者からの返信

     タイトルからして明らかに春樹ディスり作品ですね(笑)

     共産党員でもワーグナーを聴いているわけでもないのに襲撃され、無意味にぶん殴られるというひどい話ですが、襲撃とはそういうもんだと思います。

  • 面白かったです。
    なるほど、免除してほしいのか?と、まともに聞き返されると、躊躇してしまう気持ち、わかります。
    ただ、免除されている男が、最初に、無自覚にタダにしてくれ、と言ったのが謎ですけど(^^;

    作者からの返信

     おそらく、免除されている男の方は、軽い冗談のつもりで「タダにして」と言ってみたら「いいよ」と言われて、引っ込みがつかなくなったとか、そういうことなんじゃないかと思います。
     男が自分がタダで飲み食いしていることをどう考えているかはわかりませんけどね。そこにはあえて触れていません。

     一方、主人公は「もし自分もタダにしてと言ったらタダにしてくれるのか」と仮定の話をしたわけです。その微妙な差だと思います。

  • 六也試作発電所への応援コメント

    具体的にはもう忘れてしまいましたが、同じようなデジャブ的記憶が私にもいくつかあったはずです。
    もしかして、複数の記憶といつか観た夢の混同作品が、こういう曖昧な記憶になっているのかもしれません。
    でも、いつか、ちゃんと思い出したり、発見したりできるのでは…という一縷の望みを捨てきれないものですよね。

    作者からの返信

     この発電所は、私が夢で何度か訪れたことのある施設がモデルになっています。たぶん実在していませんし、実在する施設が基になっているわけでもないようです。似た場所に行った覚えはありません。なのに妙にディティールが細かいんですよね。

     この施設に関しては実在しないと私ははっきり認識していますが、別口で、行ったことがあるような気がする場所はいくつかあります。ただ、そっちは単なる遊園地とかで面白味がないので、何が試作なのか、なんで湖の上にあるのかよくわからない施設の方を使いました。

  • 劇場喫茶店への応援コメント

    劇場喫茶店
    これは実在しているんでしょうか…
    読んでいると、そんな感じがします。
    次の発電所のお話も、です。

    作者からの返信

     この喫茶店にモデルはありません。掌編を連載小説の形式でまとめると決めたときに、それぞれの作品を「喫茶店で小耳に挟んだ話」という体にしたら面白いかな、と思って、作品集の冒頭用に考えました。
     
     こういう形式の劇場は、実際にあったら面白いと思いますし、もしかしたらあるのかもしれませんが、私は知らないです。

  • 笑う門にはへの応援コメント

     物語全体は割と単純な構造だと思うのですが、ラストの大人っぽさというか、大胆さと怖さに驚きました。私ですと、少しでも文章を長くするために、二人目の男性のすれ違いと母親との対話では、もう少し文量を使ってしまうでしょう。「いったい、何がおかしいんだよ。納得がいくように、早く説明してみせろよ」という感じに。ただ、これだと全体がしつこくなりますし、短絡的なのでしょう。ひとりの人間の寂しさが、他の人間をどんどんと巻き込んでいく怖さを描きたかったのでしょうか。ラストの方でどんどんと笑いが込み上げてくる主人公の態度に著者の自信が表れているようでした。

     カクヨムで読んだ作品の中では、真っ先に感想を書きたいと思ったので書きました。今後ともがんばってください。ではまたー

    作者からの返信

     近況ノートには「中学時代」と書きましたが、確認したらこの作品の初出は高校時代の図書新聞でした。
     作品が短いのは紙面の都合もあったわけです。あんまり長いのはざら半紙1枚の紙面に載せられませんから。

     今となっては字数を気にすることはないので、書き直せるなら書き直そうと試みたことは何度かありましたが、良くも悪くも直しようがないですね。直すと別の作品になってしまいます。
     なので、誤字脱字などの軽微な修正に留めています。初出だとタイトルが「笑う角には」になっていました。誰か間違いに気付いて教えて欲しかった。


     今の私がこの作品を評価すると、ラストはいいんですけど、そこへ持っていくためのアプローチが性急すぎると思います。
     基本的には単なる主人公の自意識過剰に見えるようにしつつ、本当に主人公が笑われているとも取れるような書き方をしながら、徐々に主人公の被害妄想を高めていって、ラストに持っていきたいところです。全く別の作品になってしまいますが。

     母親とのシーンなどは、たしかに展開が荒いんですよね。もうちょっとなんとかならんのかと思う。 ただ、会話や描写を足したから良くなるわけでもないですし、ここだけ字数を増やすとバランスが悪くなります。どこかをいじるとバランス取りのために全体の改修が必要になってしまう。


     ラストのオチはうまいんですよね。主人公が笑ったのは、自分以外にも不幸なやつがいることへの安堵からなんでしょうけど、このオチは、主人公が笑われた理由が、主人公が笑った理由と同じだった、ということを保証しません。
     みんなも主人公も同じように他人を見て笑うけど、その笑いの内容は全然違うかもしれないわけです。

     事件は全然解決してないんだけど、解決したかのように見せかけて終わることで不気味さが残る、というのもあるわけです。もちろん、当時の私はそんなことを考えて書いてないですが。