夜の本屋さん
霞(@tera1012)
🌃
こつ、こつ、ぱたん。
とびらの閉まる音がする。
さあ、本屋さんの夜のはじまりだ。
絵本コーナーの色とりどりの背表紙から、にょきにょきと動物たちが顔を出す。小鳥にキリンにライオンさん。ピンクのゾウに、みずいろのゾウ。パンダさんだけは、いつもきまって白黒だ。
てまえの
虫メガネを持った
お店の奥には、きむずかしそうな戦国武将、うひゃうひゃ笑いながら飛び回る黒い影に、ペタペタはい回る、顔のとけたゾンビたち。
ピンク色のあふれたエリアでは、
「さあ今日は、新しいお仲間がいらしたのよ」
「はじめまして」
もじもじとあらわれたのは、つるつるの厚手の紙でできた、重たそうな本だった。
「わあ、君は、なにさんなの?」
「僕は……写真集です」
「わあ……」「きれいだねえ」「命の洗濯ですな」「ワオーーン‼」「
夜の本屋さん。そこには紙だけしかないけれど、無限の世界が広がっているのだ。
夜の本屋さん 霞(@tera1012) @tera1012
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