本は私に幸せをくれる

LAYLA

第1話 本の虫で結構!

私は本が大好き。子供の頃から友達と外で遊ぶよりも家や図書館で本を読む方が楽しかった。

そのせいか、クラスの子達には「本の虫!」と呼ばれ、徐々に遊びに誘ってくれる子もいなくなった。

家が隣で、幼稚園の頃からずっと一緒の翔も最近は他の男子と一緒にからかう様になってきた。でも良いの、だって私には本があるから。


本は不思議。私の知らない事を沢山教えてくれるし、架空の世界に私を飛ばしてくれる。

本を読めれば私は幸せ、そう思ってた。


最近は本屋に行かなくても、ネットで本を読むことも買う事もできる。

私もここ何年か本屋に行く事がなかった。

ある日どうしても欲しい本があったんだけど、紙媒体しかなくて、久しぶりに本屋に行く事にした。

私が欲しい本は、発売したのがかなり昔で、近くの本屋に問い合わせしたら、隣町の本屋にあることを教えてくれた。

それで、あまり行く事のない隣町まで行く事にした。


欲しい本があるコーナーに行き、一つ一つ背表紙を確認する。

やっと見つけたけど、お目当ての本は背伸びしても届かない位置にあった。

「ん―!!」「…はぁ、ダメだ。全然届かない。」

店主さんはお年を召しているし、頼めそうもない。

お店の脚立か何か無いかな…。

聞きに行こうとした時、目の前に欲しかった本が現れた。

「え?」振り向くと、そこには幼馴染の翔の姿が…。

「翔、何でここに?本を読む私をからかっているくせに!」

「それは、ごめん!実は俺、本が好きになったんだ、大好きな子の影響で…。」

顔を赤くする二人。

「そ、その本面白いの?」

「うん。読み終わったら貸そうか?」

「良いの?ありがとう。」

二人は本屋を後にし、家に帰る。


数日後、翔は瑠璃から本を借り、その後二人は本の感想を語り合った。

瑠璃は、本を読めることが幸せだと思っていたけど、好きな本を共有して感想を言い合う事が更に瑠璃を幸せにしてくれる事を初めて知った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

本は私に幸せをくれる LAYLA @layla_layla

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ