脚本と脚色
【やな渡世】
昔「座頭市」でよく使われた言葉。もう永遠の言葉です。
先日の、「漫画原作者自殺教唆事件」の自称脚本家。
私が感じた印象は「お前は、もう負けている」。
自分の「脚色芸」に自薦過剰な余り、「何よ、偉そうに。悔しかったら、脚本書いてご覧なさいよ」的な態度から、
漫画原作者は脚本を書けない、と侮った結果、原作者が書き直した脚本でファンが納得した。
女優を廃業して、作家としてのご苦労もあったのだろうかと思う。でも、技術に溺れて、世間を見失った。
漫画を見下して、漫画家も見下した。漫画家は、キャラクターデザイナーであり、コンテやシノプシスを書く「作家」でもあり、
総合演出をするプロヂューサーでもある。「似顔絵」や「イラスト」の羅列ではない。
だから、脚本を書けと言われたら、迷わず書ける。『吹き出し』は単なる台詞の入れ物ではない。
そんな常識も知らずに育ってきたのだろう。漫画や小説で「感動」を覚えたりしたことはなかったのだろう。
職人は職人である。因みに、『脚本』とは、物語の筋道を纏める仕事であり、『脚色』とは、原作を『脚本化』する仕事である。
前者は、オリジナルのお話が基本で、後者は違ったジャンルや出来事を題材にするので、オリジナルではない。
脚本家としてのプライドや、後世に残したいという願望があるのなら、オリジナルで勝負しろ、というのが通説である。
原作者の生前、SNSで悪口言いまくっていたという暇人。「自殺させた」という十字架を背負っていることなど気がつかないだろう。
沢山の人が声を上げた。斜陽のメディアのテレビでどれだけ功績を残していかれるか、脚色家の未来が楽しみである。
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