ガーディアン
最近、声が聞こえるようになった。
がんばったね。もう少しだよ。
ふざけるな、お前なんて死んでしまえ。
大丈夫。そばにいるからね。
もっと苦しめ。もっともっともっともっと!
ずっといっしょだよ。だから、もう安心して。
生きてて恥ずかしくないの?
頭の中でずぅっとうるさく喋ってる。
ときどき、この二人でお話をしていたりもするけれど、だいたいは私に向かって話しかけてるような気がする。
おい。まだ気付かないのか、お前。相変わらずバカだなあ、だから殴られるんだよ。
低い声。怒ってる。
この声は、誰の声なんだろう。
だめだよ、そんなこと言っちゃ。この子だってがんばってるんだよ。
気にしなくて大丈夫だからね。痛い思いをするのは、あなたのせいじゃない。
優しい声。いつも励ましてくれる。
でも、こんな声、私は知らない。
遠くから叫び声がする。
いつもそう。
もう慣れた。
慣れたけど、すこしうるさいな。
お前の方がうるせえよ。何偉そうなこと言ってんだ?
ああ、また、怒ってる――。
いつからこんなに、いろんな声が聞こえるようになったんだっけ。
この叫び声は、ほんもの?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます