ポルターガイスト

「即死だったらしいよ」

 

 ぽろぽろ。

 

「自分の体に油をかけて火をつけたんだって。何があったのか……本当に……」

 

 泣きながら話す級友を見て、苛立ちを覚える。

 何の話をしてるんだ、コイツは。

 俺の体を縛り付けて火をつけたのはコイツだっていうのに。

 

 誰一人気付かない。

 警察すら気付かないかもしれない。

 そうなったら俺はどうなる?

 突然自殺した馬鹿か?

 殺されたのに?

 そんな話あってたまるか。

 

 どうすれば他の奴らは真実に気付いてくれる?

 

 ひとまず、俺が全部聞いてるんだってコイツに知らせてやろう。

 本人が聞いてるとなれば、嘘を吐くのもやめる……かもしれない。

 

 試しに、花瓶を落としてみた。

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