あなたの恋に口付けを
小学生の頃、周りの友達が恋に目覚めるより早く、私はあなたに恋をした。
そのときはソレが恋だなんて思わなくて、ただ憧れに近付こうと、毎日図書室に通ってた。図書室の窓から、あなたの教室が見えるから。
中学生の頃、同じ部活に入りたかったけど、なんだか気恥ずかしくてやめた。
高校生の頃、初めて恋を自覚した。女の子に恋をするなんておかしいと思った。
ずっと憧れのままだった。それでよかった。今もそれでいいと思ってる。どうせ告白できないんだもの。
そんなことして嫌われたら、私はきっと生きていけないと思う。
今日、あなたは初めて恋をしたね。他の子に比べてずいぶん遅い初恋。そういうところも私は好きなのに、その男、陰であなたを笑ってたよ。
止めたりしない。あなたが心に決めた人だから。
でもね、止めたりしないけど、少し手伝わせてほしいの。今このまま告白したら、きっと傷ついてしまう。
大丈夫、私に任せて。あなたは彼と幸せになれるよ。
恋には悪者が必要でしょ?
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