リハビリ次の段階へ
3階病棟に移ってしばらくは前と同じメニューだったのだが、ある日石山さんまで来てリハビリ室の外の廊下に連れ出された。
「歩行器から手すりを握って移って」と佐々野さんに言われ私は言われた通りに手すりに移った。「手すりを持ったまま歩いて」と言われたので、ゆっくりと歩き始めた。(石山さんが付き添っていた)「ハイ、Uターン戻ってきて」と佐々野さんに言われ、私は言われた通り歩行器のところまで戻った。佐々野さんは「石山とそのソファーで休んでて」と言ってリハビリ室に戻って行った。しばらく待っていると佐々野さんは杖を持って戻ってきた。
「これを使って歩いてみましょう、石山がつくから」と佐々野さんに言われ私はゆっくり立ちあがると杖を受け取り、それを頼りに歩き始めた。なんというか本当に自分の足で歩いているという感覚を久しぶりに味わった。廊下の端のほうまで行くとUターンして佐々野さんのところまで戻ってきた。
「上手ね。これならすぐ杖だけで歩けるようになる。自主練はまだ歩行器を使ってね」と佐々野さんはそう言い、歩行器で病室に帰った。
数日間は補助が付いているときだけ杖でのリハビリだったが、数日後杖の購入の話が出て、自分の杖が来ると長さを調節して歩行器は使わず、つえで歩くようになった。
自主練も杖でよくなり、私の行動範囲がまた広がった。
自主練も初めは距離を歩けなかったが、だんだんと距離を伸ばしそれに手すりのそばで杖無しの歩行練習も併せて行った。
それから1日3回は自主練を行った。歩く練習をすることで、時間もつぶれるし自分の足で動けることはとても嬉しい事だった。
飲み物を取りに行ったり、食事の一覧表を見たり、廊下の窓から外を見たりで、色々刺激があって楽しい。
他の自主練の人と会えば会釈。何日かするとだれがどの時間にやっているかが解るようになって、邪魔にならないように時間をずらしたりもしていた。
ベットでは、教えてもらったストレッチも併せて行った。
部屋の壁に踵、お尻、肩、頭をつけまっすぐに立ったり、手すりを握りながら足を振ったり。時間はたっぷりあるから、少しずつ難易度を上げながら行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます