飴玉少女
やみふね ツミ
第1話 飴玉を一つ
今日も、飴玉を舐める。ゆっくりと、じっくりと。でも、すぐに無くなっちゃう。気づいた時には舐め終わって、溶けちゃってる。だからまた一つ、甘い飴玉を貰いに行く。今日はどこにいるのかな。早く見つけなきゃ。
「あれ、もしかして僕を探していたのかな」
あ、お兄ちゃんだ。飴玉のお兄ちゃんだ。
「うん。あのね、今日も飴玉が欲しいな」
今日は何をすればいいんだろう。簡単なのだといいな。
「うーん、そうだな。今日は、この子かな。多分もうちょっとしたらあの公園に来ると思うから、あとはいつも通りかな」
あれ、ちっちゃい子。やった。早く終わる。
「じゃあねお兄ちゃん。すぐに終わらせるから、飴玉、ちゃんと用意しておいてね」
見つけた。やっぱりすごいな、お兄ちゃんは。
「ねえねえ、ちょっといい」
早く早く早く早く早く早く早く早く
「えっと、すいません誰ですか」
早く早く早く早く
「えっとね、ちょっと手伝って欲しくて、こっちに来て欲しいんだけど、お願い」
早く早く
「え、あ、おお」
早く
「やっとついた。えっとね、飴玉を貰うためにあなたのことを殺さないといけないんだ。ごめんね」
ちゃんと痛くないようにしなきゃ。えっと、首を刺せばいいんだっけ。
「あ、あが、たずげ」
うーん。これで痛くないのかな。ちゃんと首を刺したから、きっと大丈夫だよね。早く飴玉もらいに行かなきゃ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます