飴玉少女

やみふね ツミ

第1話 飴玉を一つ

 今日も、飴玉を舐める。ゆっくりと、じっくりと。でも、すぐに無くなっちゃう。気づいた時には舐め終わって、溶けちゃってる。だからまた一つ、甘い飴玉を貰いに行く。今日はどこにいるのかな。早く見つけなきゃ。


 「あれ、もしかして僕を探していたのかな」

あ、お兄ちゃんだ。飴玉のお兄ちゃんだ。

「うん。あのね、今日も飴玉が欲しいな」

今日は何をすればいいんだろう。簡単なのだといいな。

「うーん、そうだな。今日は、この子かな。多分もうちょっとしたらあの公園に来ると思うから、あとはいつも通りかな」

あれ、ちっちゃい子。やった。早く終わる。

「じゃあねお兄ちゃん。すぐに終わらせるから、飴玉、ちゃんと用意しておいてね」


 見つけた。やっぱりすごいな、お兄ちゃんは。

「ねえねえ、ちょっといい」

早く早く早く早く早く早く早く早く

「えっと、すいません誰ですか」

早く早く早く早く

「えっとね、ちょっと手伝って欲しくて、こっちに来て欲しいんだけど、お願い」

早く早く

「え、あ、おお」

早く

「やっとついた。えっとね、飴玉を貰うためにあなたのことを殺さないといけないんだ。ごめんね」

ちゃんと痛くないようにしなきゃ。えっと、首を刺せばいいんだっけ。

「あ、あが、たずげ」

うーん。これで痛くないのかな。ちゃんと首を刺したから、きっと大丈夫だよね。早く飴玉もらいに行かなきゃ。

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