配信者デビュー
(うちも配信してみようかな。人間と話すのは抵抗あるけど、ゲームしてるの垂れ流すだけなら、いける気ぃする)
作りたてのチャンネルでの配信は、過疎っとって<文字列>きぃひん。ぐだぐだな配信ばっかり。
壁掛け時計に視線を移すと、二十時。
「遊び過ぎてしもた。宿題せなあかんし、ぼちぼち
ゲームを終了すると、配信ウィンドウが現れた。
「配信してること、すっかり忘れとった。誰も見てへんし、まあええか」
配信を止めようと、マウスカーソルを動かした瞬間、コメント欄がカクッと動く。
コメントが一斉に書き込まれる。
「うわっ。
「いつからおったん?」
「暇なん? うちならいぬわ」
「誰が幼女や。大人のお姉さんやで? おっぱいぼいんぼいんやし」
「ちゃうわ」
「あるよ」
パソコンの上部に、カメラ付いとるさかい、撮ることは出来る。
「なんや偉そうやな。カメラ用意するさかい、一旦配信切るよ?」
どこをどう撮ろう――撮影範囲を確認しながら調整する。部屋には物が何もあれへんくて、殺風景やさかい映したない。全身も映したない。身長低いさかい、小学生て
顔は、見たいて書かれてへんさかい、映してもしゃあない。
『おっぱいキボンヌ』て書いてあったし――撮影範囲は胸だけでええか。胸だけはすくすく成長して、Fカップある。胸見せれば『大人のお姉さん』言うたの怒られへんやろ。
タイトルを『おっぱいぼいんぼいんまつり』に設定して配信開始。
「心がきれいな人にしか見えんのやな。うちには見えとるし」
「設定方法わかる? ゲームしてたときと、おんなじようにカメラの映像選んだんやけど」
「どうすれば見えるようなる?」
「やってみるわ」
「見えたみたいやな。大人のお姉さんやろ?」
ランキング上位にある配信の見様見真似で、胸を寄せたりツンツンして見せる。
『まもなくクルーズが到着します』
『
「ちゃうわ! なんや変なの来たな。カメラ動かすさかい待って」
カメラのレンズを下げ、腹部を映す。
「信じる心失ってしもて、かわいそうな
二の腕下部をつまんで見せる。
「伸びるほどあれへんやろ。腕は引っ込められへんさかい、嘘つけへん」
「反省したなら許したるわ」
「宿題せなあかんさかい、ぼちぼち
配信終了ボタンを押す。
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