第16話
ヘレンは受話器越しだが独り言を呟いてしまっていた。
窓の外はビュウビュウとした凄まじい吹雪となっていた。
ジョン・ムーアとは、七つの大罪で一度ここホワイトシティで世界を終末へと向かわせようとした張本人だった。
その男はアリスの叔父にあたる人物で、ジョンと戦ったモートは、一度ホワイトシティと世界の終末を救ったことになる。
ヘレンは不可思議な恐怖から寒さ以外の震えも抑えていた。
「ねえ、アーネスト? その男は何の本を借りたの?」
「いや、まだよくわからないんだ。不思議だよね。受付のお嬢さんたちはやけに重たい本だったと言っていたが……今、調べてもらっているんだよ」
「そう……ね。あ、アーネスト。お願いがあるの。その男が借りた本がわかったら、できるだけ早く知らせてほしいの」
アーネストが深く頷いたことをヘレンは受話器越しからわかった。
「わかったよ。明日の朝には知らせるよ……」
「ええ、そうしてくれると助かるわ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます