第8話
霜の降りたノブレス・オブリージュ美術館の近辺にあるちょっとお洒落な喫茶店「ポット・カフェ」を見下ろし、銀世界の三角屋根やロマネスク調やゴシック様式の建造物をモートは幾つも飛び跳ねながら黒い魂を探していた。
しばらくして、ここホワイトシティで唯一のダンスフロアがあるパラバラムクラブが見えてきた。モートはウエストタウンに再び到着していた。何故かここには黒い魂が集まるようだ。
夜の凍てつく空気に包まれたホワイトシティは、深夜から早朝にかけて、たまにダイヤモンドダストが街を襲う時があった。
モートは、地下の下水道処理施設へとコンクリートを通り抜けて降りていった。
モートは考えた。
ゾンビも人も黒い魂なのだ。
見つけてみないと、それらがどちらかわからなかった。
と、突然。
真っ暗な通路の奥から悲鳴が聞こてきた。
モートはすぐさま悲鳴のした方へと駆け出した。
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