ギアスキルー混沌の神への誓いー

水室二人

第1話 異世界転生プログラム

「あなたは、選ばれました」

 お約束な、真っ白の部屋で謎の存在にそう告げられました。

 相手の姿は見えません。ただ、圧倒的な存在感を感じます。

「これは、異世界転生と言うやつですか?」

「理解が早くて、助かります」

「なぜ、自分が?」

「適当に、選んだ結果です。深い意味はありません」

「適当ですか?」

「適当です。勇者とか、英雄を望むのであれば、貴方は選ばれる事は無いでしょう」

「その通りだと思いますが、ズバリ言うのですね」

「私が望むのは、魔物を駆逐する者です」

「勇者や、英雄では駄目ですか?」

「駄目でした。その結果、世界は平和になって、魔物が溢れてしまいました」

 話を聞くと、圧倒的な力を持った勇者が、一度世界を平和にしたそうです。

 その結果、人々は戦いを捨てました。ただ、世界のルールとして、魔物を倒す必要があったのです。それで生まれるエネルギーっで、色々とシステムを維持していたそうです。

 バランスが崩れた結果、魔物の大規模な発生が起きました。勇者の死後です。

 戦う力を失った人類は、大きく数を減らしました。

 救済のために、異世界召喚の技術を与えたそうです。

 数多くの英雄が、召喚されたそうです。その結果、魔物は駆逐されました。

 ただ、その後の歴史は繰り返し。

 今回は、異世界人を転生させて対処するとに事です。この、存在が一番の原因のような気がします。

「私は、混沌の女神です。世界を面白おかしくするのが仕事ですよ」

 こちらの思考は、読まれているみたいです。混沌の女神が行った結果が、一度は平和になるとは、不思議なものです。

「私一人なら、もう少し上手くできたと思うけどね、一族揃うと、色々と問題あるのよ」

 大きな存在は、色々といるみたいです。

「大いなる父の元、貴方を転生させます。貴方は、前世で特に何も功績を残していません。色々と、後悔がありますよね?」

「無いと言えば、嘘になります。ただ、自分の招いた結果なので、受け入れて消えていくつもりなのですが?」

 集合無意識の中に沈み、混ざり合って溶けていく。結構居心地良かったです。もう一度、苦労するのは、本意では無い気もします。

「貴方の都合は、考慮しません。これは、決定事項です」

「拒否権は、無いと?」

「ありますが、与えません」

「仕方ありません、受け入れます」

「こちらも、少しサポートします。貴方が、次の人生で戦うための力を与えましょう」

「よろしくお願いします」

「では、問います。貴方が戦いの中で必要と思う能力は何ですか?」


 何か、聞いたことあるような内容な質問です。

 これ、遊んでいたゲームの冒頭見たいです。ゲームのキャラクターに生まれ変わる気分です。

 ゲームみたいと言っても、次の人生に関わることです。慎重に行きましょう。

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