第11話 ジョブチェンジ魔法
「ぐはぁ……はぁ……はぁ……俺は……もっともっと食べたいんだぁ……」
奴は呻き声を歩きながら、自分の欲望を唱える。
今なら奴は隙だらけ、攻撃のチャンスだ!
……そういえば、剣以外のカードを使ったことないな……試しにこいつを使ってみよう!
私は咄嗟に杖が描かれているカードを取り出し、腕輪に通した。
『ジョブチェンジ! 魔法!』
腕輪からそんな音声が鳴り響いた。
音声と共に、私の姿が変わっていく……ふと、下を見ると鎧は外れ、ローブを身に纏い、カードに描かれていた杖を装備していた。
魔法ジョブか……って、私呪文も何も知らないんだけど!?
詠唱ってどうやるの!?
「ぐわぁ……食わせろ! 食わせろおおおおおおおお!!」
ミノタウロスはそう叫びながら立ち上がり、こちらに向かって走り出してきた。
「アニマさん! 危ない!」
ロープはミノタウロスに向かって蹴りを入れる……が。
「きゃあああああ!!」
彼女は吹っ飛ばされ、地面に叩きつけられてしまった。
奴は突撃をやめることはなく、私に向かう脚を止めない。
どうしよう……魔法ってどうやって出せばいいの!
「ええい! 食らえ!」
私は咄嗟に杖を振った。
この際炎でも出てくれ! お願いだ!
……そう願って杖を向ける……すると、その願いが届いたのか、獄炎が杖から放たれた!
「あちゃああああああ!! 熱い! 熱いぞ!!」
奴に炎攻撃が命中する。
……なんとなく杖振っただけなのに、こんなすごい攻撃を放てるなんて……。
この炎攻撃……まさか、私がそうイメージしたから?
じゃ、じゃあ……こいつはどうだ!
「食らえ! 氷攻撃!」
氷をイメージし、杖を振ってみると、杖の先からまるで吹雪のような冷たい空気が放たれた。
その吹雪がミノタウロスに命中し……氷の彫刻が出来上がった。
「アニマさん! あとは私に任せてください!」
「うん!」
「行きますよ! とりゃああああああ!!」
ロープは助走をつけ、思い切り飛び上がり……氷の彫刻に向かって渾身の蹴りをお見舞いした。
すると、氷が粉々に砕け散り……辺りにダイアモンドダストが広がった。
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