【二時間待ってからの一分間】

 現在治療中の食道炎でお世話になっていた胃腸科・内科さんが、閉院することとなりました。

 たまたま自分の診察日と、閉院直前とが重なったので、念のため早退手続きを取って早めに訪れたものの、予想をはるかに上回る大混雑。

 外にまで人が溢れている状態にびっくりしました。

 玉突きで近所の調剤薬局さんも大混雑とのことで、朝から大変なことになっていたようです。

 仕方なしに読みかけの本を読みながら待っていました。


 気の毒に感じたのは、このタイミングで初診に訪れた男性。

 お腹を壊したとのことで、とても辛そうでしたが、自分も最近同じような目に遭っていたので、その辛さはよくわかります。

 でもこの大混雑状態で、いつ頃順番が回ってくるか、全くわかりませんでした。

 本を読みながらチラチラと様子を覗くと、ソファにぐったりと腰を掛けている様子が目に映って、ホントに可哀想になりました。

 

 この日は長年お世話になった患者さんが多いらしく、診察室からは思い出話みたいな声やら、お礼の声やらが漏れ聞こえてきました。

 先生が喋っているというよりも、患者さんの話に応えている感じでしたので、一人当たり十五分から二十分は当たり前。

 中々進んでくれず、お陰で持っていた本が殆ど読み終わってしまいました。

 こんなに一気に読んだのは、いったい何年振り、いや、十年、二十年ぶりかも知れません。

 

 ようやく自分が呼ばれたのは二時間後。

 診察時間は一分ほど。

 紹介状の確認と、二か月分薬をいただくことの確認だけでした。

 まあ、いいけどさ。

 会社近くにあって、特に親しいわけではなかったのですが、十数年くらいの間に時々お腹を壊したり、風邪をひいたり、気管支炎でも何回かお世話になりましたので、お礼だけはきちんと述べました。

 一応、社会人としてのけじめですね。

 待合室に戻るとだいぶ空いていましたが、お腹を壊した男性が更にぐったりしているのが目に映りました。

 あのあと、大丈夫だったのかな?

 会計を済ませ、看護師さんや受付のかたにもお礼を述べて帰りました。

 

 食道炎なので、続けるなら自宅近所の小さな病院(この間、胃腸炎で初めてお世話になったところがとても良かったので)かな。

 取り敢えず、もうじき健診で胃カメラを飲むので、それから決めることにしています。

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