第五話

「先は長いよ、覚悟できてる?」

「はい、ぷぷぷ、、行ってください、、」


「くっそー、絶世の美人に向かってなんて態度なんだ!男なんて全員見る目の無いクソばっかりだー」


「そうですかー?、全て思い当たることばかりなんですけど」

「飛奈諦めろ、現状を知ることが改善への第一歩だぞ」


 私はあいつらの悪行を見つけに行った訳で、悪いとこ見つけてもらいに行った訳じゃないのに、、。



「次は、お淑やかな人なのかなー、と思っていたが急にオジさんみたいな笑い方をしたのでビックリした」


「ギャハハははは、、」


「オジさんって言われてるよ。ぷぷぷ、、」

「どんな笑い方したんでしょうね?」


「いつものバカ笑いだろ。人前で下品な笑い方するなっていつも言ってるだろ」


「自分達だってさっきから下品な笑い方してるでしょ」


「私達は別に男見つけようとしてないから良いんです」

「私だって見つけたくて行ったんじゃないわよ!」


 私の笑い方ってそんなにオジさんくさいのかー?女性タレントだって同じような笑い方している奴いっぱいいるだろ。大口開いて、手叩いて、足バタバタさせて笑ってるじゃないか。楽しそうで良いじゃない。下品だからその笑い方止めろなんて言われてないじゃない。なんで私は直さないといけないのよ。

 結婚相手の女性にはそんなことして欲しくないなんて偏見よ。どんな笑い方しろっていうんだよ。口に手を当ててクスクス笑えば良いってのか?バカ男どもが!


「ダメだー、全部面白い、ホントもうこれ最上級のギャグ漫画並だな」

「今年一番の大笑いでしたね」


「でもまだ先があるのよ」

「まだあるんですかー?もう全部言われたでしょ。リーダー闇落ちしちゃいますよ」


「話を振られたので話し始めたら、他のことが気になりだしたようで全然話を聞いてくれなかった」


「ギャハハははは、、」


「これも分かりますー。自分から旅行に行きたいとか言い出して、どこに行きたい?って聞いてきたくせに、なんかこのアイドル可愛いとか言い出して、人の話上の空で聞いているんですよー。酷くないですか?」


「あるある、そういうことするよねー。この前なんてさ、電車で話してたら可愛い女の子が乗って来て、そっちばっかり見てるし、お前が話聞いてきたんだろーがって、突っ込みたかったよ」


「リーダーってホント可愛い女の子大好きですよねー。話している途中ですぐ意識逸らすし」


 げっ!ヤバっ!これは言い訳できないかも!メチャクチャ思い当たる節あるし!でも懇親会に行っていた時、意識逸らされるようなことあったかなー?単純にお前の話が面白くなかっただけだろ!こっちのせいにしてんじゃねーよ、タコ。


「さあ本日のフィナーレです」

「待ってましたー、ぱちぱちぱち」


「これ高そうとか常に言っていて貧乏性な人なのかなー、という印象だった」


「ギャハハははは、、」


「分かるー、すーぐ値段気にするよねー」

「あっちのスーパーは牛乳10円安いとかいつも言ってるし、今日はポイントデイだとか言ってるし、ホント引くほどケチですよねー」


「そういう細かい事言ってると嫌われるんだぞ」

「何よー、節約思考の何が悪いのよ!」


「リーダーは度が過ぎているんですよ」


「いやー、もうダメ、死にそう。全部当たってる。良くもまぁあの短時間でこれだけ言われ放題言われること、、ぷぷぷ、、」


「ホント見てる人は見ているんですね。リーダーの素性丸裸じゃないですか?」


「何しに行ったんだよ」

「ウケ狙いだったんじゃないですか?」


「一人で爆笑かっさらってんじゃねーよ」

「うるさいわねー」


 くっそー、恥かかせやがって、いつもの100倍懲らしめてから葬ってやる。

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