第33話 避難場所と猫

 避難所に着き、私は翡翠ちゃんのお母さんを探すことにした。

 4人には、とりあえず学校の外に待機してもらった。

 多分中に入ったら混乱するだろうし、モンスターが着たら大変だし……。


「どう? 翡翠ちゃんのお母さん、いる?」

「……いない」


 ……どうやらいないらしい。

 うーん……どうしたものかなぁ。


「あ、翡翠ちゃん!」

「……みどりちゃん!?」


 ……どうやら、友達がいたらしい。

 友達のお母さんはいるようだった。


「翡翠ちゃん、お母さんは?」

「……まだいない」

「じゃあ、お母さん来るまで私と遊ぼ!」

「……うん!」


 どうやらお友達の家族と合流するらしい。

 ……私の出番はここで終わりかな?


「翡翠ちゃん、あとは大丈夫?」

「……うん! るり姉! ありがとう! またね!」

「うん! また駄菓子屋でね!」


 私は手を振り、翡翠ちゃんを見送った。

 ……さて、そういえば、叔母さんは無事かな? 見たところ……まだ来ていないようだ。


「ねぇねぇ、今外かなり不気味じゃない?」

「えぇ、なんか喋る犬とか猫がいるわよね?」

「私、変に低身長な人、見た気がする」

「怖いわ……外に出たくない……」


 皆、異世界から来た人についての会話をしていた……そりゃこんな反応にもなる、相手は何者なのかさっぱりわからないんだから、私だってまだわからない。

 ……そういえばリン達は大丈夫かな? ……一旦4人と合流しようか。



「リンたち、どこかな?」


 校門の前で待っているようには言ったけど……どこか遠くに行ってないよね?


「にゃーにゃー」

「いや、リンはん、そんなんで猫は近づかんやろ」

「近づくよ! にゃーにゃー!」


 リンは、猫と交信を試みているようだった。

 ……なにやってるんだ?


「……これが……自動車?」

「随分立派だなぁ」


 キセノンとゴルドは、駐車場に停めてある車に注目していた。


「……みんな、お待たせ!」

「あ、ルリルリ!」


 私の呼びかけに反応して、4人が近づいてきた。

 ……リンはどういうわけか猫を抱えてるけど。


「ねぇねぇ、日本の動物ってバリかわいいね!」

「あ、うん……」


 確かにそれは否定しない、猫かわいいよね。

 ……私、アレルギーなんだけど。


「ほーれ、こちょこちょ~ってあっ……」


 リンの抱えていた猫は、どこか遠くへ行ってしまった。

 リンって動物が好きなのかな? それまで猫と戯れるのを楽しんでたように見える。

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