詩小説5 無意識の中の光

僕は意識している。

何かに向かって走ることの正義を。

僕は意識している。

夢や目標を抱き続けることの正しさを。

僕は意識している。


隣にいる彼は

夢を抱くことは、未来を描くことだ、と。

隣にいる彼女は

目標を抱くことは、私を見つけることだ、と。

では、何もない僕は、どうなるのだろう。

未来というキャンバスを自分の夢という絵の具で染め上げること、

自分という不鮮明で曖昧な存在を具現化すること、

それができないから、僕は浮ついている。

そんな自分の存在を押し殺したくて、

でも彼らを応援したくて。

だから僕は「頑張れ」と“いつの間にか”零している。


そんな時、友達は言った。

「君の頑張れは、元気が出る」


胸の歪が解き放たれ、風通しが良くなった。

“いつの間にか”無意識に零した言葉が与えた勇気。

ああ、そうなんだ。

きっと彼ら彼女らも、誰しもが無意識から始まり、無意識の中の光に気づいた瞬間、それが大きな夢となる。

僕も、見つけた。

夢や、目標を。

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