青い肌のイロナと人狼ヤーノシュ

木下森人

epigraph

 ある夜、過度の恐怖の一撃で精神に変調をきたし、かれは狼に変身したのです。かれは、その里にとってあまりにも大きな災厄となったので、多数の農家を廃屋にしてしまったほどです。狼の姿で幼子を貪り食い、大人はといえば、野蛮に咬みつきズタズタに裂いたのです。

        ――ティルベリのゲルウァシウス『皇帝の閑暇』

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