第26話
入学式も終わり、イーナと一緒に帰ろうかとしたのだが突然複数の女性に絡まれてしまった。
「ねえ、貴方はどこの貴族?」
「き、貴族?」
急に、俺に貴族とか聞かれた。
この学園は、貴族の学生が多いが、地位関係なく平等というのがもっとうと言うにも関わらず...
この貴族は常識が無いのではないかと思ってはいたが、急に話掛けられ話すことに慣れていない俺には答える事が出来ず黙っていると、イーナが助けてくれた。
「ねえ、ここは貴族とかそんな地位は関係はないんだけど。わかっているの?」
「はあ!?そんなことは関係ないは。貴族と言う立場は平民を好きに奴隷のように扱っていいのよ。あなたも、学園長の娘の立場のおかげでここの代表として挨拶が出来たのよ!!平等なんてありえない。で、そこの貴方はどこの貴族なの!!早く答えなさい!!」
ものすごい迫力に押され、咄嗟に「貴族ではない」と答えると、凄い嫌な顔をしていた。
「うわ~貴族のパーティーで見たことにと思ったらやはり平民なのね。どうしてここにきているのかしら。早くここから退学して欲しいは~ねえ~」
「そうよそうよ、エリス様の居る学園から出ていきなさい」
「エリス様、この平民をどうしますか?」
この、金髪で長い髪で自分は貴族で偉いです。っと言わんばかりの態度の女性エリスという貴族らしい。エリスは貴族としての地位が高いのか、他の取り巻きもエリスに合わせて俺の事を色々言ってくる。
「あのさ、この学園のルールを守れない人は退学にしてもらうけどいい?」
「あら、私を退学に出来ると思うの?私は、ここの第一王子レニック・テニ―様と婚約者ですのよ。私に逆らうとどうなるかわかっているのかしら」
イーナが庇ってくれるのだが、エリスと言う貴族は本当にうざい存在。
俺が元の男だったら、一発顔面にくれてやるのだが、相手は複数で自分より少し身長が高く不利なのでやめた。
このやり取りは、色々なひとが通る場所なので、もの珍しさで立ち止まり多くの人が見ている。
朝に合った生徒会の人たちがやってきて、俺に対するいじり?がようやく終わった。
「おい、お前たち何をやっている。」
「あ、テニ―様。私は貴族としての役割をしていましたの。」
「そうか、だがここは学園の中。貴族などは関係がないからそういうのはよくないぞ」
「ご、ごめんなさい。テニー様」
「今は、ここの生徒会長だ」
どうやら、ここの生徒会はここの第一王子のテニ―がやっているようだ。
生徒会長のテニ―は、王子だけあって顔が整いイケメンである。
エリスは、第一王子のテニーと言う男には猫を被りって、先ほどとは言葉遣いも違う。
しかし、この婚約者ならどんな性格が悪い人なのかと思っていたのだが、別に性格は悪くなかった。
むしろこの、エリスと言いう人の後だからか、余計に性格が良いと感じる。
「じゃあ、今日は入学式だけなんだから早く帰った、帰った。」
「で、でしたら私も生徒会に行ってもいいでしょうか?」
「ダメだよ。生徒会は忙しくてね。エリスが暇になってはいけないから早く寮に帰りなさい」
「わかりました。」
テニ―の言う事は素直に聞くエリスは、素直に取り巻きと一緒に帰っていた。
「すまないね。イーナさんと...君は」
「この子は、ルッチ人見知りだからあまり話しかけないで上げて」
「そうか、ルッチさんか。あの、最強の武闘家と言われた同じ名前でいい名前だね」
俺の事を褒めてくれて嬉しくなった。最近は、最強の武闘家とか言われず、誘拐とかされたりしていたので、こう最強と言われると天狗になってしまう。
「あ、当たり前だよ。」
つい、調子にのって一国の王子にため口で答えてしまったが、笑って受け流してくれた。
「そうか~いい名前を付けてくれた親に感謝しなよ。じゃあ、君たちも帰りなさい」
と言われ、ようやく帰ることが出来た。
「今日はえらい目にあったね」
「そうだね、だけどイーナ助けてくれてありがとう」
帰り道と言うか、イーナの部屋まで行かないと帰れないので、イーナと一緒に帰っている最中にイーナは少し不満そうに質問してきた。
「それはどうと、人見知りのせいにあの王子とはどうして喋ることが出来たの?もしかして、イケメンだから答えたの」
「ち、違うよ。名前を褒められてつい調子を乗っちゃてその勢いでって感じで」
「ふん~」
そんな会話をしながらようやくエナさんの居る城に帰ることが出来た。
しかし、今日合った事を話すとエナさんに心配をかけると思い話さなかった。
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