第6話

 

 魔女に魔法で浮かされながら魔女の横を浮き廊下を移動している。浮かされている間は、手足は動かすことができるが自分の意思では降りることができない。


 浮いている間、両手両足は脱力させ、ぶらーんっと吊らされている感じで浮いていると、ようやく着いたのか魔女は歩くのを止めた。


 目の前には扉があり、魔女はドアノブを握りドアを押すと、扉の向こうには鍋や包丁、物を冷やす箱・冷凍箱れいとうばこや魔力を込めると炎が出る魔コンロがあるキッチンに案内された。


「ここが、キッチンね」


「はい」


「じゃあ、次行こ〜う」


「お~」


 と、いまだ浮かされて状態で陽気な魔女に合わせ右腕を上げ、次の場所に移動して連れてこられたところはお風呂


「ここが、お風呂ね。広いでしょ~だけど、たまにしか使ってない。」


 お風呂は、数十人が一斉に入っても余裕があるほどの大きなお風呂

 掃除が大変そうだ...


 お風呂掃除が大変そうだと思いながら、次に案内された場所は本がずらりと並んだ書庫である。


「ここが、私のお気に入りの書庫。いろんな本があるから、ルッチちゃんも暇なときは呼んでもいいよ~」

「わ、わかりました。」


 書庫内は、長年窓を開けていなかったのか埃っぽく、本には埃が積もっている。

 本のタイトルは魔法の教科書のような物ばかりであまり面白そうなのはなく、多分俺はここで本を読まないだろうとな。


 そんな事を思い、ようやく最後の場所である魔女の部屋に案内された。


「じゃあ、最後は私の部屋ね」


 魔女の部屋に行く途中に魔女の生活のルーティーを聞いてみると、、書庫と自分の部屋を行き来するだけで、たまに外に出かけるだけで、ほとんど自分の部屋から出ないひきこもりのような生活をしていたらしい。身の回りのことは、ゾンビを作り掃除や食事などを、ゾンビにやらせていたらしい。


 だけど、ゾンビが作ったご飯って...

 想像するだけで、食欲がなくなる。


 ようやく最後の場所に案内された魔女の部屋は、ゴミ屋敷のような汚さである。

 何かに使う魔法陣を書いた紙なのか、それがくしゃくしゃにして地面に捨ててあったりと色々あ物が散乱しており、足の踏み場もない部屋...


「ここが、私の部屋ね」


「き、汚い。」


「し、失礼な。私も自覚はあるんだよ」


つい「汚い」と思ったことが漏れてしまうと、魔女は恥ずかしそうな顔をしながら。言い訳をしている。


 こんな汚い部屋になった理由があり、どうやら、ゾンビの身の回りの掃除は自分の部屋や、書庫の掃除は、自分の物をいじって欲しくなかったらしくゾンビにはさせていなかったらしかったので、部屋は汚く、書庫は埃まみれになってしまったらしい。


 そんな足の踏み場もない部屋で、ようやく魔法の解除してもらい、降ろしてもらった。


「どう、足のしびれ取れた?」


「あ、はい。」


 どうやら、足のしびれを心配して浮かしてくれていた。

 俺は、てっきり、逃げないように浮かせて案内していたのかと思っていた。


「え~っと、ルッチちゃんには、私の部屋と書庫を掃除してもらいます。あと、たまにお風呂掃除を。」


「え、でも、魔女さんの物はあまり触られたくないんじゃん?」


「いや~そうなんだけど、この部屋を見ると綺麗にしなきゃっと思って。だけど、私じゃあ掃除が苦手らしいんだよね~これでも、部屋を綺麗にしたほうなんだよ?」


 どうやら、俺が来る前に少し片づけたらしく、それでこの部屋の光景...

 ひどすぎる。


「わ、わかりました。」


「あと、ルッチちゃんが私の事を魔女って言うけど、私にも名前があるからね。これからはって呼んでね」


「エナさん?」


「そう、ルッチちゃんよくできました。」


 何故か子供扱い間で、魔女改め、エナさんは褒めてくる。


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