私の車で…

千原ジュニアさんはその日どこか不機嫌そうだった。


ハンドルを握る手から苛立ちが伝わってくる。


後部座席に座る放送作家さんに話しかけるときも、敬語なのにどこか怖い。


スピードが結構出ている。これだけ苛立ちが伝わってくる運転もそうない。


道路なのか森なのか分からない田舎道になってきた。


自分の車の心配より、自分の身の方が心配になってきた。


その刹那


ダンっ


と踏み込み車は崖から落ちた。カーブすることなく、遥か遠くに見える地上に向かって、真っ逆さまに落ちていく。


「こっれ、やばいかもしんないっす」


表情は見えないが、運転席のジュニアさんは自嘲気味に呟いた。はは、と作家さんが小さく笑う声がしたあと


「…もう行く?」


「んー…そっすね」


次の瞬間、僕ら3人は車のドアを開け外に飛び降りた。


「もう開けないとやばいよね」


「もうだね」


胸元に垂れていた紐を引っ張るとパラシュートが開きフワッと身体が浮く。


こうして僕の車は大破した。


という夢を見た。


なにこれ。

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