電波ヒロインにはチャラ系秀才を②
そして現在俺は図書室にいる。
今回はどうなってしまうのか気になったからだ。
いや、何もすることが無くて、手持無沙汰っていうのが大部分の理由だが。
とりあえず、ミアはそれっぽく本を読んでいる。
タイトルは「小宇宙の不思議」。
……タイトルから、中身が全く予想がつかない。
今度、少し読んでみようかな……?
そんな事を考えていると、丁度ルーファスが登場した。
ルーファスは、図書室の中で本を読んでいるミアに気づくとすたすたと近づいてくる。
そして、ミアのいる机の前までやってくると、「ん゛ん゛っ!」っと咳ばらいをする。
ミアは、今気づいたという感じで顔を上げる。
「へぇ、お前が俺より上の成績を取ったやつか」
そう言ってルーファスはじっとミアを見つめる。
どこか、その視線には、負の感情が混じっているように見えるのは俺だけだろうか?
「な、何ですか!?」
突然声を掛けられて警戒しているミア。
「まぁまぁ。そんな子猫ちゃんみたいに警戒することないでしょ?」
そう言って、ミアの顎をグイと持ち上げるルーファス。
ルーファスは、ミアにぐいと顔を近づける。
ミアは、シナリオの為かされるがままになっている。
「ねぇ、この後、俺と勉強会でもしない……?」
そう言って、ミアの腕をつかむルーファス。
その目には、強い情欲の炎がたぎっているように見える。
——これは、まずいのでは?
「い、嫌っ!」
しかし、ミアは、あくまでシナリオ通りふるまう事を決めたようで、本編のセリフをなぞって話を続ける。
そんなミアを見て、ルーファスはニヤッと笑う。
「いいじゃん、俺とちょっとだけ……」
ここで、物語では、ルーファスのハーレム的な物に所属している女子に声を掛けられ、止められることになるのだが……?
……おかしい。一向に人が来る気配がない。
ルーファスはミアの衣服に手を伸ばし始めている。
ミアも、助けが来ないことに気づき、「い、嫌っ!だ、誰か……」と震えだしている。
このままでは、まずい!
そう思った俺は、二人の前に飛び出す。
「ちょっと待て、そこで何をしている?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます