幻想ショップ開店〜デバフ魔法で対象からすべてのスキル盗んで、それを武具道具アイテムに付与して転売するせこい商売始めました!?

MIZAWA

第1話 それはバフではありません

 13歳の誕生日、リークはスキルを発現した。

 名前をデバフ魔法。

 デバフ魔法は知らないが、恐らくバフ魔法だと思われる。

 父親と母親は冒険者になってどっかで冒険している。

 リークは1人で生活をしている。

 そんなのは当たり前だと思っている。


 リークは一応冒険者に登録してある。

 基本は薬草収穫などだが、今はE級とされる。


 モンスターを討伐する事を許されていないのだ。

 バフ魔法を発現しても仲間がいないから意味がなかった。


 なので現在冒険者ギルドでお願いしている。


「なるほどですね、デバフ魔法? 聞いたことがないですね、とりあえずバフ魔法でしょう、仲間ですかー天命の里という最近できた5人パーティーがありますが、紹介しますか?」


「お願いします」


 リークは頭を下げた。

 しばらくして5人がやってきた。

 青年らしき男性は戦士だろう、女性2名はヒーラーで、1名は大柄なおっさんのタンカー、ひょろりとした男性が道具でサポートするタイプか。


 リークは冷静に分析していた。


「よお、君がひよっこの冒険者だろう?」


「はい」


「今から、トロールを狩るんだ。結構大変だが来るか? 見物でいいぜ、またはバフをかけてくれ」


「わかりました!」


====トロール現場====


「はぁはぁ、やばいな、トロールは強い、よしリーク、バフ魔法を頼む」


「わかりましたー」


 リークはこの時思っていた。

 わざわざバフ魔法をかけなくても彼等なら倒せたはずだと。

 リークはバフ魔法を発動させた。

 実はリークはこのバフ魔法が謎要素がある事をしっている。

 弱のバフ魔法だと相手がなんか元気がなくなる。

 中のバフ魔法だと、周りが元気がなくなる。

 上のバフ魔法、実はさっきコツを掴んだ。


「上のバフ魔法です」


 光が輝いた。

 みんなやはり元気がなくなる。

 リークは一応強くなったはずだと思った。


「う、嘘だろ、スキルがねーぞ」

「こっちもよ」

「ええええ」

「スキルがああああ」

「うそおおおん、ぎゃあああああ」


 今道具担当の男性が顔面を潰されてトロールに殺された。


「あ」


 リーク唖然。


「に、にげろおおおおおお」


「た、たすけてくれえええええ」


 今、タンカーの男性がトロールに踏みつぶされて、内臓をぶちまけた。


「う、うそよ」


 今2人の女性のヒーラーが頭を握りつぶされた。


「はぁはぁはぁはぁはぁ」


 最後にいた戦士はトロールに立ち向かうべく剣を構えて、吹き飛ばされて体が真っ二つになっていた。


 リークは悟った。


「これ無理じゃね?」


 リークはこの時ようやく理解した。

 頭の中に仲間達が習得していたであろうスキルがなぜか習得している。


 人は2つから3つまでくらいしかスキルは習得出来ない。


 そして、現在リークはスキル10個以上習得している。


「はへ?」


 トロールはこちらに向かってゆっくりと歩きだす。


「とりあえずデバフ」


 感覚と言えばそうかもしれない。

 自分は仲間を強くさせていたのではなく、デバフ魔法で弱くしたうえでスキルを盗んでいたのだから。


 トロールの動きが弱くなり、やはり元気がなくなる。


 トロールのスキルまでも全部盗んでしまう。


 現在のリークのスキル一覧は。


====スキル一覧====

専用【デバフ魔法】

【剣術】

【居合斬り】

【ヒール】

【オールヒール】

【ハイヒール】

【ガード】

【盾術】

【付与】

【クリエイト】

【筋骨】

【逞しい】

=============


 トロールは突如としてそこにぶっ倒れた。

 自分の体の重さを上手く持ち上げる事が出来ないようだ。

 もがいている。

 恐らくだが、【筋骨】と【逞しい】スキルを盗んでしまったからだ。 

 どうやらトロールには必須のスキルらしい。


 戦士が剣術のスキル必須と同じように、ヒーラーがヒール必須と、ナイトが盾術必須のと、道具使いが付与とクリエイト必須なのと同じ意味のようだ。


「そういえばスキルって付与出来んのかな」


 こんな状態で商売ビジネスを思い出すリーク。


「いやまてよ、スキルを盗んでそれを付与して儲けられないだろうか」


 13歳なのに金にはえげつなかった。


「ふむふむ」


 ちなみにトロールはもがき苦しんでいます。


「どうやって倒せばいいんだろう、そっか」


 リークは戦士の死体から剣を盗み。とりあえず、頭を潰そうとするが。


 ぐしゃりと音を立てて潰れた。


「あれ、こんなに力がないから魔術師だったんだけど、スキルの力か」


【レベル20になりました】


 突如として頭に響く声。

 この世界ではレベルが上がるとこうやって報告してくるのだ。

 ちなみに先程までリークのレベルは5だった。

 

「うーむ、トロールの死体は持ち運べないとして、皆の武具道具アイテムは欲しいから、そかクリエイトスキルがあるのか、木材もある事だしと」


 リークは思い付きで。


「木にデバフかけたらどうなんだろ」

 

 リークに筋力増加系のスキルがいくらあろうと、残念ながら13歳の少年では巨大な木々を両断する事は出来ない。


 ならと、木々にデバフ魔法をかけてみた。

 その後、剣で両断する事に成功した。


「凄いなデバフ魔法、こんな魔法存在しねーぞ」


 木が盛大にぶっ倒れると、次から次へと木にデバフ魔法をかけて両断していく。 

 

「よし、次はクリエイトっと」


 クリエイトを発動させ、頭の中でイメージしている人力車みたいなものをクリエイトする。


 木々が勝手に動き、次から次へと組み合わされていく姿は壮大だった。


「よし、後は武具と道具とか入れてとあと死体もか、めんどうだな、あ、これも出来るか」


 リークはイメージで装備、道具アイテム、死体等にデバフ魔法を発動させる。

 イメージ的には質量を軽くさせるデバフ、でもそれってバフだよね? と思うんだが、人を軽くさせたら弱くなる原理?

 リークは悩みながら人力車を引いて草原村にとことこと帰りだした。


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