第36話 大太刀

朝起きて、しっぽをブラッシングしようとブラシを探したがブラシがなかった。一旦、家に帰りブラシを持ってきた。


〔ふぁ〜、天国や!モフモフ天国や!〕


「モフっていいですよ。」


〔やったぁ。〕

〔ふぁ〜、フワッフワッや〜。〕


「ブラッシングしなおしてね。」


〔いいで〜、やってやるで〜!〕


スーユさんは、慣れた手付きでしっぽをブラッシングしてくれた。気持ちよかった。

宿の朝ごはんを食べてから王城に行き報酬をもらいに行った。


〈おはようございます!〉


「『〘〔《{❨おはようございます!❩}》〕〙』」


〈じゃあ、まずはヒスカさんの服ですね!〉


{ありがとうございます!}


ヒスカさんの髪に合うような真紅の綺麗な服が出された。翼があるところには、穴が開いていた。


{ありがとうございます。こんないい服もらっていいんですか?}


〈えぇ、いいですよ。しかもこの服、ドラゴン状態になると、腕にスカーフとして巻かれるんですよ!〉


{そんな、すごい服やっぱり受け取れないですよ!}


〈いえいえ、この服はヒスカさん用に作った服ですからヒスカさんが一番この服は似合うと思います。だから、もらってください。〉


{……。わかりました。}


と、ヒスカさんは言い、服を着た。

ヒスカさんの姿にとても似合っていた。


〈で、次はヨウカさんが欲しがっていた、最強の呪い付きの物ですね。〉

〈はいっ!これが最強の呪物です。〉


そう言われて出されたのは、禍々しく、そして凛々しい指輪だった。

持った瞬間に、


(見つけたわ、私の器。)


何か脳内に入ってきた。


(侵入成功!やったぁ。)


「子供?」


(うっ、悪かったわね子供で。)

(そんなことより、あんたの体いただくわ!)


脳内の何かは、急激に僕の脳内を支配しようとしたが僕は脳内から何かを追い出した。


(………。なんで追い出せるのよ?)


「知らない。」


(くっ、この手だけは使いたくなかった。)

(憑依・九尾の呪い!)


そう指輪は言い指輪の意識は消えたのだった。 


(お前の体は、私が入っても死なないよね?)


そう言われて、急激にさっきとは比べ物にならない速度で脳内に侵入、侵食していった。


「もうめんどいわ!」


本気を出して、脳内からその何かを追い出した。


(なぜ、追い出せる?)

(やはり、その体欲しくなったぞ。)


「あの〜、もうめんどくさいからやめてくれません?」


(嫌だね。)


「ならば、こちらも強硬手段を使うしかないですね。」


(どんな?)


「あなたを、ボックスで永久保存する。」


(それだけ?)


「うん、それだけ。」


(ビビって損した。)


「よしっ、ならば送ってやろうボックスに。」


僕は、リョウナくんに頼んで指輪を入れてもらった。



………1時間後………

「そろそろ、指輪を出してくれる?」


〘おん、いいよ〜。〙


指輪が、リョウナくんのボックスから取り出され渡された。


「どうでしたかボックスは?」


(もうあんな場所、二度と行きたくない!)


「なら僕に従え。」


(嫌だね。)


「なら、もう一度ボックス行きだね。」


(お願いです。ボックスに送るのだけはやめてください。)


「じゃあ、僕に従え。」


(………。わかりました。あなたに私は服従します。これでいいですか?だからお願い、ボックスに入れるのだけはやめてください!)


「わかったよ。じゃあ君を大太刀にするけどいいかな?」


(いいですよ。選択権がないですから。)


「ホイッ。」


「妖術・創生。」


そう言うと、漆黒のかっこいい大太刀ができた。解析・鑑定してみると、




大太刀 化け狐


レア度 幻影級

ヨウカによって創られた刀。

獣人族の中の九尾が持ったときのみ真価を発揮する。



と、なっていた。後ろから、


(ご主人。)


と言う可愛い声が聞こえた。振り返ると、12歳ぐらいの黒髪ロングの狐耳美少女がそこには居た。しっぽは黒色で、九個のしっぽがあった。


(ご主人、最初から人になれる、と言ってくださいよ。そう言っていたら、体を奪おうとしなかったのに。)


「ごめん。ちょっと解析・鑑定してみていい?」


(いいですよ。)


解析・鑑定してみると、



名前 化け狐〈??〉   性別 女

種族 大太刀

レベル1

HP 12000/12000  MP 13000 /13000

スキル 剣術マスター  自然回復

    抜刀術     全言語理解

    全属攻撃耐性  物理ダメージ4分の1

    みんなちがってみんないい

    変態・変人パワー

    目覚めるケモパワー

    火産狐神・絶 <カグコチ・絶> 

    氷産狐神・絶 <コグコチ・絶>

    風産狐神・絶 <シグコチ・絶>

    水産狐神・絶 <ミグコチ・絶>

    雷産狐神・絶 <ラグコチ・絶>

    超満開


と、なっていた。もはや、恒例の名前を考えた。

結果的に、狐雷神〈コライ〉になった。

もう一度、解析・鑑定をしてみると、


名前 大狐・〈狐雷神〈コライ〉〉 性別 女

種族 大太刀

レベル1

HP 12000/12000  MP 13000 /13000

スキル 剣術マスター  自然回復

    抜刀術     全言語理解

    全属攻撃耐性  物理ダメージ4分の1

    みんなちがってみんないい

    変態・変人パワー

    目覚めるケモパワー

    火産狐神・絶 <カグコチ・絶> 

    氷産狐神・絶 <コグコチ・絶>

    風産狐神・絶 <シグコチ・絶>

    水産狐神・絶 <ミグコチ・絶>

    雷産狐神・絶 <ラグコチ・絶>

    超満開


と、なっていた。コライが新しい仲間に加わった。僕達は、サンラさんにお礼を言い、僕達の家に帰っていった。

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