檻
ハナミ
第1話冷たい檻
私は臆病もので
逃げたがりで
笑うのが上手くて
頑張りすぎて
人が怖くて
笑顔が好きで
無責任がきらいで
こわれた
パリン
パリン
と
不思議なくらいカンタンに
あー
いやだな
生きるって
責任って
思ったけど
逃げれなくて
気がついたら
ずっと
ずっと
寝ていた
本当に
ソトにも出ずに
いや
外に出れなかった
疲れて
電話にも
出れなくて
不思議なくらい
無気力で
あー
鬱だなって
でも
何もかも
冷たい檻は
守ってくれて
ここにいれば
だれも
来ない
電話もしたくない
何がしたい?
ごめん
何も出来ない
なら
逃げたら?
いやだ
休憩したら
頑張るから?
どうして?
頑張って壊れたのに
そうだね
なら
寝る
うんと寝る
ふと目が覚めたら
花のカレンダー
花の写真集
水べの花は幻想てきで
水は澄んでいて
キラキラ
反射していて
毎日毎日
見ていた
花のカレンダーは
凛としていて
うっとりする
たまに
隠れ家にいく
優しい人たちは
明るく
無理する必要ないよって
嫌だったら
辞めたらいい
本当に
あったかい
頑張れとか
全く言わなくて
あったかい
手当
ボロボロ
だった
心が癒されていく
不思議
ねぇ
しんどくて
呼吸も出来ない
だけど
私は
私には
家族がいる
そして
気がついた
あっ
子供
ステッチだったかな?
の言葉で
お花は家族
例えどんなに離れていても
わたしは
子供が
幼い頃
ずっとずっと言っていた
本当に
500円もしない
花束
を部屋に飾り
子供に言っていた
気がついたら
ご飯が置いてあったり
ああパリパリ
グツグツ
あったかい匂い
子どもは
そっと
寄り添ってくれて
ご飯も置いてくれて
ありがとう
って思った
水の中にいるみたいな
ミズノ檻にいるような
そんな中から
みた
水中花
キラキラ揺らめいて
ああ
涙が止まらない
どんなに苦しんでも
悩んでも
逃げたくなっても
ああ
あなたたちを守りたい
不思議
気がついたら
台所に
冷凍されていた
鶏肉を解凍して
グリルでパリパリに焼く
白ねぎも甘く甘く
焼き色をつけて焼く
そして
そばつゆを買う
それに
冷たい冷たい
お蕎麦を作る
汁は
熱々
パリパリの肉汁たっぷりの
鶏肉に
香ばしく
トロトロの
白ねぎ
そして
カニ缶を買って
カニの炊き込みご飯
カニ缶とアゴダシと生姜の千切り
土鍋でコトコト
タイマーを測りながら
音楽を聴く
子供に
ご飯だよって
子どもは
美味しいそうに
ご飯も
お蕎麦も一瞬でなくなって
冷蔵庫で
作るつもりで買ったレモンを丁寧に洗って
レモンを輪切りにして
氷砂糖を入れて
レモンシロップを作る
そして
檻の中の部屋から
外にでて
仕事を見つける
やっぱり
見つかって
仕事が
始まるまでは
ほんの少し休憩
パン屋さん
ふかふかのパンを
子どもに食べさせたいな
やっぱり
私は
弱い人間だし
たまに
隠れちゃうけど
お花は家族
私はこの言葉が
大好きで
やっぱり
仕事が決まったよって言ったら
特別に
長い言葉もなくて
うい
買いに行くわ
ホント
それだけで
あったかいなと
なんか
変になんか言われることもなくて
さらってしていて
ありがとう
って
いいたい
でも
帰ったら
大好きなチーズケーキワンホールに
ホーク
アップルティー
が置いてあって
押し付けない
優しさあったかい
昨日と今日の晩御飯で食べた
ふわふわのチーズケーキ
優しさいっぱいの
ン
泣いた
ナミダポロポロ
苦しかった
トゲや
痛みが
流れていく
泣いて泣いて
寝る
深く
癒えた傷は
言の葉
写真集
カレンダー
うい
美味しいね
ホント
良かった
檻 ハナミ @muneta
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