感想文
蒔村 令佑
観劇感想文 舞台「踊らざる」
2023年2月25~26日に熊本で上演された舞台〝踊らざる〟を観劇しました。
畏れ多い上に野暮ですが、役者さま方への私見を。
・〝男〟さん
役回り的に、個性豊かなキャスト陣を存分に暴れさせる為の大黒柱なのだろうと思ってました。結果、大黒柱が最も暴れてました。
妻を迎える辺りの、二人だけどエチュードなシーンが好きでした。殊に捲し立てた後の、「今日は如何したの」という
・〝女(Aバージョン妻)〟さん
「丁度いい」「
「おっさんぽい咳」は天丼を期待しましたが、私がコント脳なだけです。
一通り歌って、照明が落ち始めた舞台中央の椅子に座って俯いて、「これで終劇かしら、お洒落な〆だなあ」と思ってたら立ち上がり大サビを歌い出す流れが素晴らしかったです。
・〝女(Bバージョン妻)〟さん
彼女を目当てに観劇したので言わずもがなです。カメラ持って行けばよかった。取り押さえられるのだとしても。
素敵でした。ある程度は気付けていた
どちらかというとAでの役が好きでした。二回目の〝謎〟の省略が、表情も
「よく解らない上に、大声ですね」……ご褒美極まりない。
・〝弟〟さん
あれだけ浮世離れした黙劇を見せて下さったのに最後のハケ際、一瞬だけ客席を振り返っての悪戯っぽい笑み。ずるいくらい麗らかでした。
・ギタリストさん
黒子や道化フェチの私に刺さる存在でした。コロスに近い役回りなのでしょうか。
ただハーモニクスでの返事は……静かな会場だったので、笑いを堪えるのが大変でした。
・MC&幕間のアーティストお二人
うら若い女の子の
今回、ちゃんとした演劇を初めて拝見しました。初観劇が〝踊らざる〟でよかったと感じています。
関係者の皆様、素敵な舞台を有難うございました。次の公演も、是非また伺いたく存じます。
了
以下自分語り。
そもそも私は演劇というものが嫌いでした。映像作品などの演技には強く惹かれるのですが。
そんな陰キャは少なくないのではと思います。何せ演劇と言えば思春期辺りまで、恥じらいを捨て去れない事に激昂する大人達から強制されるものだったので。
少なくとも私個人は、そんな苦手意識を下地に演劇へのイメージを構築せざるを得ませんでした。
物心ついてからの認識としても、小劇団などは大抵生死や愛をグチャグチャと叫んでいて苦手でした。表現者として全身全霊で演じている事を伝えたいのかも知れませんが、そこを伝えられてもという。
結果として演劇に対し、〝どこかで聞いたようなセリフをそれっぽくボソボソ喋ったかと思うと唐突に喚き出したり歌い出すような雑味だらけの振り幅を演技力だと思ってそうな人々の集まり〟という先入観を持っておりました。
今回観劇させて頂いた〝踊らざる〟という舞台は、斯様に結構な演劇アレルギーの私をさえ楽しませて下さいました。
関係者様の実力や魅力は勿論、物語に滲む文学性、その造詣と解釈、そして姿勢と表現力に因るものかと思います。
スタジオの箱で二日しか上演されないのは非常に勿体なく、「もっと沢山の人に観せるべきでは」と感じる反面、安い共感など求めていない採算度外視の舞台であるようにも窺えました。
胸を深く穿たれつつ背中を押されたような、どこか特別な心持ちとなれる時間を過ごさせて頂いたように思います。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます