第20話 誰かが迎えてくれるのもいいもんだ
「おっそーい!」
「遅かったか?」
外はまだ明るい。
スマホで時刻を確認すると15時だった。
まだまだ夕方に差し掛かるところやんけ。
「それでどうなったの?」
「ん? 何が?」
俺は何となく
「
「ああ、取り出せなかったみたいだぞ」
「取り出せなかった?」
ルージュがおうむ返しに聞き返す。
「何でも魂と癒着しているって話だ。残念だったな。お前らも
「え? 違うけど? あたしが目につけたのはお兄ちゃんの
そう言えばそうだった。ルージュが
「でも、
「そうね。確かに強力な
殊勝なことを言うもんだ。
俺は思わずフフンと鼻を鳴らした。
「でも今の話によると、お兄ちゃんを
「おい……。人をお買い得商品みたいに言うなよ……」
これどっちがおまけか分かんねぇな。
「えーこれは増々、お兄ちゃんには魔人になってもらわないとねッ!」
ルージュはニンマリとした表情で小ぶりな胸を大きく張る。
「ふん。ならちょっとは魅力的な提案をしてみるこったな」
「あら? 今なら
「まだ引っ張るのかよ。その設定……」
そんな他愛のないやり取りをしながらも、心地良さを感じている自分がいることに気づいたのであった。
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