匿名Kの毒

由良戯

自殺リーマン

KはBAR勤務


KのBARの常連が居た。

ウイスキーや安酒ばかり頼む人間だった。

が、急に羽振りが良くなった、頼む酒は高級な物ばかり、1人寂しくカウンターに向かっていたが、ボックスで綺麗なネーチャンを連れていた。

が、そんな彼だったが急に金を貸して欲しいと言ってきた。Kは誠実さを担保に金を貸した

。3ヶ月後金を返しに来た。

がその姿は大きく変わっていた、優しい眼は、女の尻を追っかけまわす愚者の様なギラついた眼になっていた。ある程度肉付きの良かった体は痩せていた。フサフサだった髪は若ハゲ第3ステージといったところ。


それからもリーマンは毎日と言っていい程店に来た。しかし日を跨ぐにつれ、眼はギラつき、頬は痩せこけ、髪は薄くそしてボサボサになっていった。


ある日を境にBARに一切来なくなった。

そして葬式に招待されたそのリーマンの家族からだった。無論、行った。

家族も酷く疲れた様子であった。

当然だ、急に身内が首を吊ったのだ。

発見には時間が掛かり糞尿が垂れ流しになっていた。それ故に臭いが染み付いていた。

また死人特有の腐敗したタンパク質の臭いが遺族の体に染み付いていた。


そう思ったが違うらしい。何でもある日を境にリーマンが急に凶暴になったらしい。

今まで無かったDVや息子に対する虐待は日常的になり、酷い時は殺されかけた事もあったらしい。

そして給料は湯水の如く何処かに消えてゆく。

それで酷く疲れた様である。肌はボロボロ所々にはアザ。だが何処か安堵の様子が見える


葬儀はテキパキと取り行われた。

念仏を唱えて速攻で火葬した


そして遺品整理にて分かった事がある。

リーマンは宗教擬きにハマったらしい。

BARに一緒に来てたネーチャンは宗教の勧誘だったらしい。

給料はお布施に消え。凶暴化の原因はその団体の神の粉らしい。いわば麻薬である。


そして自殺の原因は麻薬による幻覚、幻聴、意識低下による物だとか。 愚かな者である。


こうして1人の常連があの世の店に行った。


そうそう、リーマンの妻は、麻薬売買の容疑をかけられ社会的に殺された。息子は犯罪者の息子という体でメディアの玩具となった。







自殺は身内も殺す


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