復活!

フレイムの復活の予兆で地震が多く発生するようになった。兵士達はテントでの寝泊まりの為、影響はなかったが、眠れなく体調を崩す者が出てきた。


時間が経ち1月に入った。


「寒くなってきましたな。しかし、せめてもの救いは温泉の熱気で、兵士達の寒さが緩和されている事ですね」


「そうですね。この寒さが少しでもフレイムを弱らせる事が出来れば、被害を少なくできるかも知れません」


そう話している二人に、けたたましい鐘の音が響き渡った。


カンカンカンッ!!!

カンカンカンッ!!!


「この音はまさか!?」


慌てて建物の外に出ると、火山が噴火していた。

ただし、噴火と言っても、大爆発ではなく火山口から溶岩が流れ出していた。


「緊急招集!古龍種・火炎龍王フレイムの復活の予兆である!すぐに持ち場に着け!!!」


何度も訓練していただけあって、兵士達はすぐに持ち場に集まった!


火山噴火は平野部からよく見えた。


「ついに出てくるのか……………」


多くの兵士がゴクリッと喉を鳴らして見守っていた。


「ついに始まるのですね」

「ああ、永きに渡ってアリエル様が封印し続けた宿敵が現れる。シオンは危険だから離れた場所で見守って欲しい」


「女の私にはできる事が少ないです。フレイムに狙われている身なので、距離を取って見守っています」



そう、フレイムはアリエルの力を感じ取ってシオンを狙ってくる可能性があった。故に、兵士の集まる平地に来ているのである。


「シオンにはワシがついておる。お主等は存分に暴れるがよい」


杖をついた先王カイルとワイズ様がいた。


「我々老いぼれでも、シオン令嬢の盾ぐらいにはなれますぞ。必ずやフレイムを倒してくだされ」


ワイズ元教皇は祈る様に若者達を見送るのだった。


「カイル、状況によっては『例』の件も試すからね」

「うむ、わかっておる。結界を張れる兵士も配備しておる。安心してやるがよい」


シオンとカイルはソッと手を繋ぎ噴火する火山を見つめるのでした。



しばらくすると、ボンッと火山が爆破した。

大規模噴火かっ!?


皆が身構えたが違っていた。

火山の噴火とともに赤き巨大な龍が飛んで出てきていた。


まだ遠くにある火山なので小さく見えるが、古龍種・火炎龍王フレイムはこちらを向いているのがわかった。


「花火を打ち上げろ!フレイムの注意をこちらに誘導するんだ!」


ドドドドッン!!!!!


ドーーーーン!!!!

ドーーーーン!!!!


何発もの花火が打ち上げられた。

すると、フレイムはこちらに向けて飛んできた。


「よしっ!こちらに向かってきたぞ!魔術師は結界魔法の準備をしろっ!!!」


「それと同時に弓隊構えーーーーー!!!!!!」




平地には最大兵数5万もの兵士が三千ずつに分かれ、長方形に隊列を組んでいた。

横一列で、盾部隊、魔法部隊、弓隊という構成になっていた。


フレイムは翼を動かし、真っ直ぐ飛んできた。

射程まで後少し───











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