行政書士! 意外と知られていないその業務!
猫川 怜
行政書士! 意外と知られていないその業務!
行政書士! 意外と知られていないその業務!?
登場人物
主人公
加藤アツシ 行政書士 大学卒業後就職するもサラリーマン生活に嫌気がさして行政書士試験を受けて、独立開業してやっと事務所が起動にのってきた。(三十歳)
ヒロイン
斉藤ユミ 元 キャバ嬢 キャバクラをやめて独立してスナックを持とうとアツシの元に現れる。(三十歳)
その他の人物
加藤タカシ アツシの父、田舎の市役所職員(五十三歳)
加藤ヒロコ アツシの母、主婦
山本巡査部長 所轄署の生活安全課、通称セーアンの刑事 (三十五)
○加藤行政書士事務所(昼))
アツシ「オレは、アツシ現在三十歳、大学を卒業後一般企業に勤めたが、あま りにもブラックだったのでなんとか行政書士試験を受けて無事に合格して独 立開業した。ブッチャケ一人でここまで来るのもかなり大変だったが、ブラック企業に勤めていたオレは、体力や精神力を鍛えられていたのかもしれない司法書士とどう違うの? とか色々言われるオレの仕事をみんなに知って欲しい」
○アツシの実家 五年前三月 夕方
アツシ、玄関をあける
アツシ「ただいまー」
ヒロコ「久しぶりね。お父さんまってるから」
二人はダイニングルームへ
タカシ「おお、久しぶりに帰ってきたか、とりあえず久々の家族そろってだ。 食事でもしながらゆっくり話そう」
テーブルの上には豪華な食事が沢山置かれている。
ヒロコ「アツシが帰って来るっていうから、沢山作ったからどんどん食べて、 お酒はビールにする?」
アツシ「じゃぁビールにする」
タカシ「母さんオレもビールな! しかし一人息子がやっと成人したとおもっ たのに、中々一緒に酒を飲む機会がなくて父さん悲しいぞ」
アツシ「あはは、たしかに、会社がいそがしすぎて」
タカシ「まったくだから都会で働くのはやめておけと言ったのに・・・・・・ところで大事な話があるからって帰ってきたんだろ? 彼女でも連れてくると期待したのに」
ヒロコ「まぁまぁお父さんアツシだって忙しいだろうし帰ってきただけでも」
タカシ「そうだな、それでアツシ大事な話っていうのは?」
アツシ「うん、会社を辞めようと思って」
ヒロコ「あら、またどうして急に?」
アツシ「うん、実は、行政書士試験に合格して、行政書士として独立開業しよ うと思うんだ」
タカシ「うーん、オレも仕事でたまに手続きに来る行政書士は見るがな、結構 廃業する人も多いからなあ・・・・・・」
ヒロコ「まぁ、あなたアツシがやってみたいって言うならいいんでないかしら」
タカシ「そうだな若いうちにチャレンジしてみるのもいいかもしれないな」
アツシ「ありがとう、父さん、母さん、それでもう一つ相談なんだけど」
タカシ「何なんだ? 金のほうは出すほどの余裕はないぞ!」
アツシ「違うんだ。今住んでるアパートだと事務所に出来ないって大家さんに言われて事務所はこっちに戻ってきて開こうと思って」
ヒロコ「まぁアツシがこっちに帰って来るなんていいじゃない」
タカシ「そうか、そうかそれだったらお前が使ってた離れを事務所につかうといい」
アツシ「ありがとう、本当に助かるよ」
○アツシの実家の離れ 昼
アツシ「オレは実家に引っ越して開業準備に明け暮れる、パソコンやプリンターのたぐいは持ってきたので開業にかかったのは行政書士会への会費や実務を勉強するために本を購入したり書士会や予備校などで講習を受けたりした。」
タカシとヒロコが現れる
タカシ「開業祝いにいい物を買ったんだ」
ヒロコ「田舎だから車ないと不便でしょ?」
軽自動車が庭に止まっていた
アツシ「本当にいいの?」
タカシ「ああ、新車でなくて、中古車ですまないがな」
ヒロコ「父さんと相談して大学入学とかの時、たいしたことしてあげられなかったから」
アツシうれし泣きする。
アツシ「ありがとう! 大事にするよ」
○離れの中 旧事務所
アツシ「こうしてオレは、事務所を構えホームページを作ったりして仕事が来るのを待ったり、色々な所に営業活動をして少しずつ仕事は増えていった。最近、フリマやネットオークションで古物商許可をとりたい人が増えてきたからそれを中心に田舎なので相続など色々な業務を覚えていった」
○隣町警察署
アツシn「今日も古物商許可のために警察署に足を運ぶ」
アツシ警察署に車を止める
アツシ「お疲れ様です」
アツシ入り口で番をする警察官に声をかけエレベーターで生活安全課にむかう。
アツシ「お世話になります」
山本「おお、また古物か? 最近許可申請だいぶ増えてるから、お前も大変だろう?」
アツシ「いえいえ、これでなんとかやっていけてるんで」
山本「しかし、だいぶ書類の書き方うまくなったもんだな、とりあえず次に本部に行くときに持って行ってやるから」
アツシ「ありがとうございます」
○ 車の中 午後
アツシ「次は保健所に飲食店許可だな、まぁこんな感じで俺たち行政書士は 市役所、警察署、保健所と言った行政機関に許可申請をする書類を作成して 提出まで代理するのが仕事だ。滅多にないが不許可になってしまった時は弁護士さんにバトンを渡さなければならないが、最近、特定行政書士という制度ができたからそういった場合でも特定行政書士であればある程度は対応出来るようになった。よく、何処が違うのと聞かれる司法書士は裁判所、検察庁、法務局と司法機関やそれに近い、行政機関に提出する書類の作成が中心となるのが違いだ。どちらが儲かるとか一概には言えないし中には両方とっていわゆる、ダブルライセンスを所持している同業者がいるからだ」
〇 旧事務所 午前中
アツシ「最初はわりとオレみたいに自宅兼事務所という人が多いだろうとりあえずいつものように起きてパソコンを起動して色々な資料を読んだりして朝が始まる」
ユミ「スミマセーン」
アツシ「おや?随分早いお客さんだな」
アツシ、ユミの姿を見る。
アツシn「ヤバイ、すごい美人」
ユミ「スナックを開こうと思って相談にきたんですけど」
アツシ「はっはい、では奥のほうにどうぞ」
ユミ「あの急にきてご迷惑でしたか?」
アツシ「いっいえいえ、とんでもないとりあえずお茶をいれますから」
アツシお茶をソファーに座るユミに出す。
アツシ「それでご依頼の件でございますが、許可を申請したい不動産の資料を」ユミ「はいこちらになります」
ユミ、カバンから資料を取り出す。アツシ書類に目を通す。
アツシ「そうですね地図を見たところ病院や学校など近くにないから大丈夫だと思います」
ユミ「そうなんですね出来るだけ急いでいただきたいんですけど」
アツシ「はい構いませんよ、あと不動産屋さんの見取り図だけでは証明とか解らないところがあるので店舗にしたい物件に行って確認したいんですが」
ユミ「はい先生に直接見ていただいたほうが安心です」
アツシ「近くですし今から見て見ましょうか?」
○アツシの車で移動中
ユミ「失礼かも知れませんが、行政書士の先生っていうからもっと年配の方かと思っていたのでびっくりしました」
アツシ「いやぁ僕も若い方がお店を持つって言うんでビックリしましたよ」
ユミ「都会のキャバクラで働いてましたけどイジメとかいろいろあってでもこの仕事好きだしいっそ地元に帰ってスナックを開こうと思って」
アツシ「僕も都会で働いてたけどブラック企業だったからね。だから資格を取って地元に帰ってきたんだ」
ユミ「もしかして二中出身ですか?」
アツシ「そうだけど? もしかして同級生?」
アツシn「そんなこんなで盛り上がりながら彼女の借りた店舗へ」
○スナックユミ開店前
ユミ「ここなんですけど」
ユミ、鍵を開けて中へ入る。
アツシ「良い物件ですね。」
アツシ店舗の照明などを確認する。
アツシ「とりあえず問題なさそうですから見取り図に記入してもよいでしょう か?」
ユミ「はい、かまいません」
アツシ「急ぎとの事ですし、今日中に書類作成して、保健所と警察署に営業許可申請しましょうか?」
ユミ「いいんですか?」
アツシ「はい、喜んでやらせていただきます」
○旧事務所
ユミ「それじゃぁ、よろしくおねがいします」
アツシ「はい、終わったら連絡いたします。」
○事務所 PC前
アツシ「とにかくオレは急いで書類を作成した。ちょうど他の案件が落ち着いていたのもあるが美人の頼みとなるとなおさら仕事に燃えた」
○車で移動
アツシ「保健所に行って警察署」
アツシ急いで保健所と警察署を回る
アツシ「なんとか生活安全課が終わる前に間に合ってよかった。生活安全課、通称せーアンは警察署の中で行政書士が一番足を運ぶ課かもしれない古物商許可やピンクなお店、スナックにパチンコ、ゲーセン等を営むには風俗営業許可が必要となる。それの許可の窓口であり取り締まりをするのがセーアンだからだ」
〇旧事務所 夜
アツシ、ユミに電話する
アツシ「無事に許可申請の書類提出しておきましたので、結果が出たらまた、ご連絡いたします」
ユミ「本当にありがとうございます。無事に開店できたら奢らせてください」
アツシ「とんでもないです。できるまでの事をしただけですから」
○加藤行政書士事務所
アツシ「こんな感じでがんばって、今では、オレは駅前に事務所を移して、更に忙しくなった。来年からは、親父が市役所を退職するので、親子で働く予定だ。市役所勤めをしていた親父は、無試験で行政書士登録が出来るのは羨ましくもあるが、それと仕事帰りに、ユミのスナックへ行くことも楽しみになっている」
行政書士! 意外と知られていないその業務! 猫川 怜 @nekokawarei
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