8話スキル“心読”
ギルドに戻りホーンベアを討伐したことを報告する。朔にはマジックバッグじゃない方のカバンにまた入ってもらう。
「ホーンベア討伐しました。」
そう言って討伐したホーンベアを受付台に置く。
「(えっ、こいつギルドで懸賞金かけられていたホーンベア、人食いガルス?!金貨10枚の?!)分かりました。銀貨5枚ですね。」
「分かr...。」
『エンリ、こいつ嘘ついてるよ。』
「嘘?!」
思わず大声をだしてしまう。
「ギクっ」
えっまさか、本当に?
『どういうこと?朔?』
『エンリが案外騙されやすいということが分かった...。こいつ懸賞金かけられてたらしいよ。』
『なんで知ってるの?』
『後で話す。それより、懸賞金は金貨10枚だから。その分は絶対にもらって。』
「あのこの熊って懸賞金かけられてましたよね?金貨10枚。」
「あっ、はい!(なんでバレた?)すいません。勘違いだったようです。」
無事金貨10枚を貰うのだった。こんな大金もらうの初めてだ。
**********
行きつけの宿に行き、銅貨20枚を払い、二泊分とる。
「えっと、朔なんであのとき分かったの?」
もう宿の部屋だからカバンから出ている。
「ワタシのスキル。」
「スキル?」
「うん、“心読”っていう心で思っていることを読むスキル。
「はぁ、嘘ついてるか、どうか分かるから詐欺に合わないね。」
「エンリって観点ズレてると思う。というかエンリ怖くないの?考えていること全部バレるんだよ。」
「平気、平気。そんなにバレて困るようなことはない...はず。」
「いやあるんかい。」
朔、ツッコミ度合いが増してない?
「ワタシも思った。だってエンリ、ワタシの常識の範疇超えてるもん。それとこのスキル、人混みだと結構つらいんだよ。」
デメリットもあるのか。
「あっ、エンリ。」
「ん?」
なんだろう?
「そういえばホーンベア倒すとき『クスノキ流陰の型癸』って言ってだけどあれ何?」
ああーそれか!
「師匠がクスノキ流の型を教えてくれたんだけど師匠の友人がつくった流派らしいよ。陰の型は剣を使う型、癸は水属性を付与できるやつかな。擬似的に水属性を付与することもできるんだけどね。」
「師匠って誰なの?」
「んー。偽名らしいけどフィンって言ってた。あと狐。」
「狐?」
「うん、なんか妖狐族となんとかのハーフらしいよ。」
「ワタシはそのなんとかが気になるんだけど。」
そう言われても覚えてないもん。
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