第6話 ~エピソード0~ 4
本日開花するであろう蕾は、
しかし、鈴の音と共に聞こえたあの言葉の直後、開花予定の蕾のすぐ隣、芽吹いてまだ間もないはずの小さな蕾が、急激に成長を始めたのです。
次第に大きくなっていく蕾を、
急激な成長を始めた蕾の隣では、開花予定の蕾が、いつ花が開いてもいいほどに早く細かく明滅を繰り返しています。しかし、まるで隣の蕾の成長を待っているかのように、明滅を繰り返すばかりで、一向に花を開こうとはしません。
急激に成長した蕾は、先に明滅を始めた蕾と同じ大きさにまで膨らむと、隣の蕾とタイミングを合わせるかのように早く細かい明滅を始めました。
もう、どちらの蕾も開花間近となっています。
このような出来事は、一度も経験のないことですが、どちらの蕾が花開こうとも、開花儀礼であることには違いありません。
やがて、開花の瞬間が訪れました。
リンという涼やかな音を一つずつ響かせて、一日に一つだけ花を咲かせるはずの大樹に、二つの花が咲きました。
そして、花からはそれぞれ赤ん坊の姿をした
しかしながら、それ以上に重大なことは、同じ日に二人の
これ以上の
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