第三話  始業式の次の日

 昨日の始業式に続いて、今日も午前だけの半日だけど、今日から部活部活動が始まる。

 今日は委員会を決めたり、クラスの級長・副級長・書記とかを決めたり、早速教室での席替えがくじ引きであったり、給食のときのランチルームでの席もくじ引きで決められたり、クラス写真撮ったりなどなど、そんな日。掃除場所などに影響する班分けは、席替えのときに一緒に決まる。


 クラス写真を撮り終わったときに、先生の案内付きで校内探検をしているっぽい、一年生のクラスと遭遇。

 学年の違いは、上靴の先端の色と、ネームプレートの線の色でわかる。僕ら三年生は赤。二年生は青。一年生は緑。

 体操服や体館体育館シューズ、ロッカーとかげた箱とかの名前が書かれたシールも、この色分けで何年生かがわかる。

 さすがに昨日の今日っていうこともあって、一年生の担任の先生がそれぞれだれなのかまだ知らなくて、一年生の何組が歩いているのかわからないけど……

(見覚えありすぎる女子が手を振っている!)

 あでも僕に振ってるのかな? ひょっとしたら淋子りんこに向けてるかもしれないし……

 まぁ目が合っちゃったっぽいから、僕も手を振っておこう。

 いつもなら、きっとこのまま近づいておしゃべりが始まるんだろうけど、今はクラス単位で移動中なので、お互いそのままクラスが進む方向へ歩き続けた。

「もりりんの知り合い~?」

「うん。あれ、淋子の妹の京香ちゃんだけど、穂乃美は知らなかった?」

「わあ、あの子が京香ちゃんなんだぁ~。りんりんから聞いたことあるけど、見たのは始めて~」

 と、驚いているんだけどやっぱりなんだかのんびりな、今左隣で一緒に歩いているこの女子は、花河はなかわ 穂乃美ほのみ

 髪は肩に掛かるくらい。たまにひとつにくくってるときもあるけど、今日は下ろされている。

 身長は僕とほぼ同じ。小学生のときに淋子と、中学生のときに穂乃美と、それぞれ別々に知り合ったんだけど、二人は中学生で出会ってからよく遊ぶ友達になったと聞いて、それ以降は僕とももっとよくしゃべるようになったかな。

 淋子とは菊嶋きくしま 淋子りんこのこと。後ろ歩いてるから、今の様子はわかんないや。

 その淋子の妹が、さっき手を振ってくれた京香ちゃん。僕は淋子とも京香ちゃんとも、小学生のときからすでに知っている。し、遊んだこともある。

 そうか京香ちゃんふたつ下だから、今年は学校同じになるのか。

「もりりんは、友達多いんだねぇ~」

「うぇ? う、うん……?」

 そんなこと言われたのは、今まであんまりないけど、穂乃美はそう思ったらしい。

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